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フランスの名門美術学校「ボザール・ド・パリ」。卒展から見るアーティストへの道

ニナ・ジャナスリヤ les caresses qui piquent 2023
ニナ・ジャナスリヤ(Nina Jayasuriya)は、俗と聖のつながりを喚起する。子牛やスリランカの神の像がタトゥーされた牛革張りのソファには無数のお香が刺され、周囲に炻器でできた靴が脱ぎ散らかされた冒涜的な祭壇。今年ヴェネチア・ビエンナーレのフランス館を代表するジュリアン・クルーゼに師事。パリの大手画廊メヌールでの展示を準備中(本文後半でもう少し言及する)
セーヌ川左岸に面する「パレ・デ・ボザール」が優秀卒業生展の会場だ
ソフィア・サラザール・ロザレス What does the city hide in a hug 2023
都市で使われる異素材や原材料が、人類史やコミュニケーションの不毛さを代弁し和解するような造形は、1999年エクアドルの首都キト生まれのソフィア・サラザール・ロザレス(Sofia Salazar Rosales)の彫刻作品。タチアナ・トゥルーヴェ、ペトリット・ハリライ&アルヴァロ・アルバーノに師事した
ヴィクトル・プシュ=ペルショー Bankai, musée de l’adolescence 2023
日本のアニメやマンガからも多大な影響を得ていると語るヴィクトル・プシュ=ペルショー(Victor Puš-Perchaud)による絵画には、黄から橙のグラデーションを持った色面による鏡がある。自己探求の画面上に、別世界や他者の像の反映を誘う。ドイツの画家ティム・アイテルに師事した
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編集部