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パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻──ヴェネチア・ビエンナーレ第59回国際美術展は何を伝えるのか?

企画展「The Milk of Dreams」より、デルシー・モレロス《Earthly Paradise》(2022)
ジャルディーニ会場の中心にひっそりと特別設置された「ウクライナ広場」。ウクライナ緊急美術基金(UEAF)により建てられた土嚢のモニュメントと、それを囲む焦げた木の柱には、戦時中のアートアーカイブとして複数のウクライナ人アーティストによる作品がポスターのように掲示・更新される
(同上)
アルセナーレ会場は、写真中央のシモーネ・リー《Brick House》(2019)で始まる。無言の女性のモニュメントをパブリックスペースに建立するのはパフォーマンスでもある。リーはこの企画展のうち最も優れた出展アーティストに贈られる「金獅子」を受賞
ジャルディーニにあるアメリカ館でも代表アーティストとして個展「Sovereignty」を開催。新古典主義建築を、1931年にフランスで開催された植民地博覧会のパビリオンのレプリカで覆い、ピカソがその美的側面をフェティッシュにしたギニアの女性像を再解釈して設置した
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編集部