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宮島達男からマーク・ブラッドフォードまで。上海で見たい展覧会ベスト5

夏休みを利用して海外の美術館を訪れる人も多いだろう、そこでここでは、上海で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を5つピックアップして紹介する。

「Daniel Arsham: Perpetual Present」展示風景

「Tatsuo Miyajima: Being Coming」 (上海民生現代美術館)

「Being Coming」展示風景

 LEDライトを使用して「生死」を表現する作品で知られている宮島達男の過去最大となる個展「Being Coming」が、8月18日まで上海民生現代美術館の新館で開催されている。本展では、宮島による1988年以降の各時代の代表的なLEDインスタレーションやパフォーマンス作品に加えて、本展にあわせて制作された巨大なLEDインスタレーション《Time Waterfall》とパフォーマンス《Counter Skin Face》を展示。

「Being Coming」展示風景

 本展のキュレーター・孫啟棟(スン・チドン)は、「本展は1960年代から70年代にかけての日本におけるラディカルな政治を振り返り、『ポスト・ラディカル』という系譜のなかで宮島の3つのコンセプトを再評価する試みです」と展覧会の狙いについて語っている。海外で注目を集める宮島の現在を知ることができる、貴重な機会だ。

会期:2019年5月18日〜8月18日
会場:上海民生現代美術館
住所:静安区汶水路210号
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月
料金:50元

 

「An Opera for Animals」 (上海外灘美術館)

「An Opera for Animals」展示風景 Courtesy of Rockbund Art Museum

 ベアトリス・ゴンザレス、ホアン・ダビラ、イ・ブル、陶輝(タオ・フイ)など53人のアーティストや治療師、教師、研究者、映画製作者、振付師、活動家、詩人によるグループ展「An Opera for Animals」が、8月25日まで上海外灘美術館で行われている。

「An Opera for Animals」展示風景 Courtesy of Rockbund Art Museum

 香港のアートスペース「パラ サイト」と共同で開催する本展は、「オペラ」の歴史や様々な形式を出発点とし、動物や自然をめぐる原始的な文化がいかにモダンな社会や機関のなかで再現されるのかを検討するもの。また、異なる文化や知識システムが浸透し合う過程において生まれた特異性や、新しい可能性についても探る内容となっている。

会期:2019年6月22日〜8月25日
会場:上海外灘美術館
住所:20 Huqiu Road, Huangpu District, Shanghai
電話番号:+86 21 3310 9985
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 50元 / 学生・教師 20元 / 会員・70歳以上・7歳以下・障害者無料

 

「FREEING ARCHITECTURE」 (上海当代芸術博物館)

「FREEING ARCHITECTURE」展示風景

 昨年パリの現代美術館「カルティエ現代美術財団」で開催されて好評を博した、建築家・石上純也の大規模個展「FREEING ARCHITECTURE」が、10月7日まで上海当代芸術博物館(Power Station of Art [PSA])で開催されている。

「FREEING ARCHITECTURE」展示風景

 石上の中国初個展となる本展では、《神奈川工科大学KAIT工房》《House of Peace》《谷の教会》など石上による約20点の代表作のほか、大規模な模型や建築図面、デザイン原稿、映像なども展示。石上はPSAの空間にあわせて、展示デザインも手がけた。

 「現在の建築は世界という巨大な空間を構成する様々な『風景』だ」と語る石上の有機的な建築を体験してほしい。

会期:2019年7月18日〜10月7日
会場:上海当代芸術博物館
住所:上海市黄浦区花园港路200号
電話番号:+86 21 3110 8550
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月
料金:詳細はウェブサイト参照

 

「Daniel Arsham: Perpetual Present」 (ハウ美術館)

「Perpetual Present」展示風景

 「架空の考古学」をテーマにするアメリカ人アーティスト、ダニエル・アーシャムによる中国初の個展「Perpetual Present」が、ハウ美術館で開催されている。

 本展では、アーシャムが20世紀後半から2000年代まで、技術の発達に伴ってデジタル化が加速した時代の象徴的な商品を、石へ変えて作品化したものを展示。「未来の遺物」としての現在にフォーカスし、ロマンティックでポップな作品を通して過去、現在、未来の詩的な関係を示している。

「Perpetual Present」展示風景

 また、アーシャムが同館の空間にあわせて企画・制作したインスタレーションや、新作の巨大な彫刻を見ることもできる。「Dior」とのコラボレーションでも話題を集めるアーシャムの世界を堪能する絶好の機会だ。

会期:2019年6月29日〜10月24日
会場:ハウ美術館
住所:上海市祖冲之路2277弄1号
電話番号:+86 21 8621 5157
開館時間:13:00〜22:00(土日 10:00〜)
休館日:月
料金:一般 120元 / ペア 200元 / イヴニング・チケット 90元

 

「Mark Bradford: Los Angeles」 (龍美術館 西岸館)

マーク・ブラッドフォード Los Angeles(一部) 2019 Photo by Joshua White © Mark Bradford, Courtesy the artist and Hauser & Wirth

 7月27日より、ロサンゼルス在住のアメリカ人アーティスト、マーク・ブラッドフォードの過去最大の個展「Los Angeles」が、龍美術館で開催される。過去10年間のブラッドフォードの活動の変化や、現代アメリカ文化に対する姿勢を示す。

マーク・ブラッドフォード Vault 1(一部) 2019 Photo by Joshua White © Mark Bradford, Courtesy the artist and Hauser & Wirth

 ブラッドフォードは抽象絵画やコラージュ作品でよく知られている。本展では、ブラッドフォードが2008年のニューオーリンズ・ビエンナーレで発表した巨大な彫刻作品《Mithra》(2008)を展示。これは、アメリカ国外では初公開となる。

 また同館の吹き抜け空間に展示される、天井から床まで全長12メートルの新作《Float》や、地球や惑星を象徴する30点以上の球状の大型彫刻も本展の見どころだ。

会期:2019年7月27日〜10月13日
会場:龍美術館 西岸館
住所:3398 Longteng Ave, Xuhui Qu, Shanghai
電話番号:+86 21 6422 7636
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の1時間前まで
休館日:月
料金:詳細はウェブサイト参照

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