EXHIBITIONS

パウロ・モンテイロ「場所のない色」

© Paulo Monteiro

パウロ・モンテイロ Untitled 2022 © Paulo Monteiro

パウロ・モンテイロ Untitled 2022 © Paulo Monteiro

パウロ・モンテイロ Untitled 2022 © Paulo Monteiro

パウロ・モンテイロ Untitled 2022 © Paulo Monteiro

 小山登美夫ギャラリーでは、ブラジルの現代美術を代表するアーティスト、パウロ・モンテイロの個展「場所のない色」を開催。本展は2020年のMISAKO & ROSENでの個展以来、日本国内では2年ぶりの個展となる。

 モンテイロは1961年サンパウロ生まれ。サンパウロ美術大学のヴィジュアルアート科を卒業。鮮やかな色面に、絵具の盛り上がりが物質の存在を表出させるペインティングや、崩れ落ちそうな粘土を上から押し付け、ブロンズやアルミに鋳造した立体作品と、ペインティング、ドローイング、彫刻をミニマルかつ表現豊かに制作している。また展示全体では、絶妙な距離感により、すべての作品が互いにつながり、共鳴するよう組み合わせている。

  1977年にアーティストとしての活動を始めたモンテイロだが、当初はロバート・クラムなどから影響を受けたコミックを描いていた。81年よりフィリップ・ガストンの後期作品に影響を受けて絵画を制作。83年には、ブラジル絵画の復興を目指したアーティストグループ「Casa7」の創設メンバーに加わる。85年、サンパウロビエンナーレに参加。「Casa7」の新表現主義は、ブラジルのアートシーンの中心となっていった。

 またモンテイロは86年から、パイプや木などを使った立体彫刻の制作を開始。94年に鉛の彫刻で第12回サンパウロビエンナーレに出展し、99年には「Bolsa Vitae de Artes Visuais」賞を受賞。2000年以降は、ペインティング制作を再開し、ブラジル国内外で多くの展覧会に出展している。

 日本では2017年、MISAKO & ROSENと小山登美夫ギャラリーで開催した初個展で大きな反響を呼んだモンテイロ。今回の個展は、色と色の組み合わせについて、明治生まれの洋画家・和田三造の著作『配色辞典ー大正・昭和の色彩ノート』に影響を受けたという。前回展の鮮やかな色遣いに対し、落ち着いたトーンの茶色、赤、オレンジ、ブルー、イエローが印象的な作品群が並ぶ。

 色が、場所と動きと時間と共に、自由に生き生きと表れるモンテイロの新作。少し離れて見たり、近づいて見たり、様々な角度から作品の新たな見え方や楽しい発見を探しに、本展を訪れてほしい。