EXHIBITIONS

色彩への招待

浜口陽三 緑のさくらんぼ 1981-89

浜口陽三 突堤(黒版なし) 1965頃

浜口陽三 17のさくらんぼ 1968

浜口陽三 1/4のレモン 1976

 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションが展覧会「色彩への招待」を開催する。色彩が複雑に重なり合って生まれた、浜口陽三の銅版画の世界を紹介する。

 浜口陽三(1909〜2000)は、20世紀を代表する銅版画家のひとり。1950年代にフランスにて「カラーメゾチント」という新しい銅版画の技法を編み出して世界的に活躍した。

 浜口の開拓した銅版画技法「カラーメゾチント」は、黄、赤、青、黒の4つの色からつくられている。色ごとに版を彫り分け、4つの色版を紙に順に重ねて刷ることで作品が完成するため、一見すると絵具で描いたように見えるが、画面全体が意図的に構成された色の重なりによって制作されている。版面に広がる点描のような凹みは、限りなく繊細で、その凹みによって、作品に無数の色と奥行きが生まれている。

 本展では浜口の銅版画約50点を展示。来館者には「色彩への招待状」が渡され、展示とともに作品に広がる多彩な色を楽しむことができる。