EXHIBITIONS

佐々木愛「re-encounter」

佐々木愛 Fantail 2022

 ギャラリー キドプレスは、アーティスト・佐々木愛の個展「re-encounter」を開催する。4月16日から5月29日まで。

 佐々木は1976年⼤阪府⽣まれ。2001年に⾦沢美術⼯芸⼤学美術学部デザイン科視覚デザイン専攻を卒業。在学中にスウェーデンのヴァランド芸術学院への短期交換留学を経験し、その後、彩都IMI⼤学院スクール現代美術専攻で学んだ。ドローイングや絵画、製菓の装飾技術を生かした壁画作品などを手がけ、主なコレクションに東京都庭園美術館、ベルナールビュフェ美術館(静岡)、武井武雄絵本美術館(⻑野)、三井製糖株式会社(東京)がある。

 ケアやタカヘ、ファンテイルといった耳なじみのない名前の鳥、ひそやかに咲く花と抽象化された山。本展で発表される作品には、佐々木が過去に訪れたニュージーランドの旅で出会った事物が描かれている。これらは南半球の小さな島を南から北へと歩いていった、その濃密な風景に出会う旅の、かがやきの断片だ。

 ギャラリーキドプレスでは7年ぶりとなる個展に寄せて、佐々⽊は次の言葉を寄せている。

「雪の森へバードウォッチングへ⾏った。初めの数⼗分はなかなか⾒つけられず、⿃のさえずりに振り回されてあちこちキョロキョロしては動き回った。

『動かずにじっと⾒ていると⾒えてくるものだよ』

案内者に促されて、⾜を⽌めてしばらくじっと⾒ていると視界の中に⼩さな⼩⿃が⾶び込んできた。それからはピントがあったように次々と⿃が⾒えるようになった。

出会いたいものに出会うために、時には⽴ち⽌まって周りの環境に⾝を寄せることも必要なのだ。
モノタイプで制作されたこれらの作品は10年前にただただ興味のままに歩き回った時の記憶だ。
あの時に出会った⾵景たちを今⼀度じっと⽬を凝らしてもう⼀度出会い直してみたいと思った(佐々木愛)」。