EXHIBITIONS

Sickboy「FOREVER - TOKYO 2022」

Sickboy「FOREVER - TOKYO 2022」作品イメージ

Sickboy「FOREVER - TOKYO 2022」作品イメージ

Sickboy「FOREVER - TOKYO 2022」作品イメージ

Sickboy「FOREVER - TOKYO 2022」作品イメージ

Sickboy「FOREVER - TOKYO 2022」作品イメージ

 イギリスを拠点とするストリートアーティスト、Sickboy(シックボーイ)による個展「FOREVER - TOKYO 2022」がOIL by 美術手帖ギャラリーで開催される。本展キュレーションは鳥巣峻史(COOPTORiS)。

 Sickboyは1980年イギリス・ブルストル生まれ。寺院を模したモチーフと「Save the Youth」のスローガンで知られるストリートアーティスト。また、イギリスのストリートアートシーンにおいて、タグの代わりに初めてロゴを使ったグラフィティアーティストのひとりだ。その作品は進化を続け、まったく新しいタギングの方法を発案したことにより、ストリートシーンに大きな影響を残している。

 本展では、ライトボックス作品やドローイングの新作を発表。これまでカラフルな色彩を特徴としてたSickboyだが、今回初めて完全なモノトーンの作品を制作、また通常の絵画や彫刻作品に加え、鉛筆画(ドローイング)や、新しくカーボンプリントの作品にも挑戦した本展は、作家にとって重要な変換点となる。

 そして本展は、2018年に開催した東京初個展(BLOCK HOUSE)と同じタイトル「FOREVER」を冠し、永遠と同時に儚さや不常についても探求することで、「永遠とは何を意味するか」について表現することを目指す。

 鑑賞者はこの展覧会を通じて、Sickboyの提示する永続性と無常性の関係を、様々なかたちで感じることができる。絵が完成する以前から、にじんだり、変化したりする鉛筆という素材は、永続性を持つ絵具と比較して即時性を表す。また、ライトボックス型の作品は、ライトボックスの物質としての堅固さと、その中に収められた絵画の緩さと生命力が相対して、親しみやすさを持ち合わせる。Sickboyは本展において、色彩や絵具の使用を最小限に抑えながらも、これまででもっとも一貫性を持つ作品群をつくり上げた。

 本展では、鉛筆か絵具か、黒か白か、刹那的か永遠かといった、相反するもののコントラストを感じることができる。時間という私たちの存在を固定するもの、そこから私たちを解放してくれるもの、Sickboyはその二面性を探求している。イギリスのストリートアートシーンの先駆者、Sickboyの新しい挑戦に注目してほしい。

 なお作品販売は、ギャラリーおよびアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて行う。