EXHIBITIONS

三蔵法師が伝えたもの

奈良・薬師寺の名品と鳥取・但馬のほとけさま

2022.04.09 - 05.15

玄奘三蔵取経図(薬師寺蔵)

玄奘三蔵院伽藍

薬師寺の白鳳伽藍

 鳥取県立博物館は開館50周年企画展「三蔵法師が伝えたもの 奈良・薬師寺の名品と鳥取・但馬のほとけさま」を開催している。本展は、薬師寺玄奘三蔵院伽藍落慶30周年記念ともなる。

 鳥取県立博物館は、これまで鳥取県内の自然・歴史民俗・美術に関する展示を行うとともに、国内の優れた作品を広く県民に紹介してきた。令和4年は博物館開館して50年という節目の年である。

 50周年のスタートを飾る本展では、七世紀、唐の都・長安からインドに向かい、数多くの仏典を持ち帰り、翻訳し、現在の仏教に大きな影響を与えた三蔵法師(玄奘三蔵、602~664)と、三蔵法師を開祖とする法相宗の大本山・薬師寺(*)(奈良市西ノ京)の歴史と文化を、同寺所蔵の名品をもとに紹介している。

 さらに本展では、三蔵法師が伝えた仏教や仏典の鳥取県下や但馬地方(兵庫県北部)における広がりを示す、奈良から平安時代の観音菩薩を中心とした仏像、釈迦十六善神像といった仏画の名品を展示している。

 また、奈良時代に法相宗・興福寺の高僧・玄賓(げんぴん・734~818)が伯耆(ほうき)(鳥取県西部)に隠棲した際、開創されたとされる阿弥陀寺(のちの豊寧寺[南部町賀祥])の関係資料も紹介している。

*──奈良市西ノ京町の法相宗大本山。680年天武天皇が鸕讃良皇女(うののさららのひめみこ)(のちの持天皇)の病気平癒のため、藤原京に造営された寺院。718年平城京遷都により現在地へ移った。