EXHIBITIONS
和田直祐「Pathway」
TEZUKAYAMA GALLERYでは、和田直祐の個展「Pathway」を開催している。
和田は1983年兵庫県生まれ。2013年に京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院芸術研究科を修了。その後は、京都を拠点に活動を続けてきたが、幅広い活動を求め大阪に拠点を移し、精力的に制作を行っている。
和田の作品は薄く溶いた絵具を幾層にも塗り重ねる古典絵画の技法「グレージング」を参照しながら、光と空間性をテーマに、高透明のメディウムを用いて独自の絵画表現の構築を試みている。透過性の高いレイヤーを何層にも重ねることで生まれる繊細な色層と奥行きを持った画面は、光そのものを内包し、鑑賞する距離や視点の位置によって形や色が微量に変化する。その作品は、漂流し続ける氷河のように流動性を伴う鑑賞体験を生み出し、見るという行為への再考を促す。
また、蜃気楼や霞のようにゆらゆらと現れては消える色彩の揺らぎは、人が認知し得ない微粒子レベルでつねに変化が繰り返されていることを示唆するとともに、鑑賞者それぞれの記憶や心象と静かに結び付く。
本展では、これまでの制作の流れを汲みながらも、作品を形成している支持体の一部が欠損するなど、消失、収縮、湾曲と時間経過のなかで起こる物質的な変化を抽出し、構造の不安定さを取り込むことで、作品に新たな緊張感を生み出す。作家は本展を通して、欠けている色やかたちを想像力で補完することを鑑賞者と共有したいと話している。
和田は1983年兵庫県生まれ。2013年に京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院芸術研究科を修了。その後は、京都を拠点に活動を続けてきたが、幅広い活動を求め大阪に拠点を移し、精力的に制作を行っている。
和田の作品は薄く溶いた絵具を幾層にも塗り重ねる古典絵画の技法「グレージング」を参照しながら、光と空間性をテーマに、高透明のメディウムを用いて独自の絵画表現の構築を試みている。透過性の高いレイヤーを何層にも重ねることで生まれる繊細な色層と奥行きを持った画面は、光そのものを内包し、鑑賞する距離や視点の位置によって形や色が微量に変化する。その作品は、漂流し続ける氷河のように流動性を伴う鑑賞体験を生み出し、見るという行為への再考を促す。
また、蜃気楼や霞のようにゆらゆらと現れては消える色彩の揺らぎは、人が認知し得ない微粒子レベルでつねに変化が繰り返されていることを示唆するとともに、鑑賞者それぞれの記憶や心象と静かに結び付く。
本展では、これまでの制作の流れを汲みながらも、作品を形成している支持体の一部が欠損するなど、消失、収縮、湾曲と時間経過のなかで起こる物質的な変化を抽出し、構造の不安定さを取り込むことで、作品に新たな緊張感を生み出す。作家は本展を通して、欠けている色やかたちを想像力で補完することを鑑賞者と共有したいと話している。