EXHIBITIONS

TOKAS-Emerging 2022 第2期

婦木加奈子 ストレンジャー 2021

山田沙奈恵 THE ROOM 2021

時山桜 記憶の受け皿 2020

「TOKAS-Emerging」は、トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が若手アーティストの活動支援として2001年から継続している公募プログラム。日本在住の35歳以下のアーティストを対象に、個展開催の機会を提供している。

「TOKAS-Emerging 2022」では、全国から142組の応募があり、審査を経て6名のアーティストを選出。平面、立体、映像、インスタレーションなど、多様なジャンルにまたがる新進気鋭のアーティストたちによる個展を、2022年4月から6月まで2会期にわたって開催する。第2期(5月21日~6月26日)に参加するのは、婦木加奈子、山田沙奈恵、時山桜の3名。

 婦木加奈子は1996年兵庫県生まれ。2020年ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・グラデュエート・ディプロマ・ファインアートを修了し、現在は兵庫県を拠点に活動している。

 婦木は具象的な制作物を身に付けたり、ある場所に置いたり、制作途中のものを外に持ち出して続きをつくる行為により、作品や制作過程そのものを社会に介在させ、相対化している。「ストレンジャー」では、身近な世界のなかで作品の「置き場所」を見つけるように撮影してまわった一連の写真作品を展示する。

 山田沙奈恵は1987年群馬県生まれ。2012年東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。東京都を拠点にしつつ、フィールドワークを中心とした取材に基づく映像制作によって、人間と自然環境との関係をひも解き、環境のなかで身体や精神がどのように位置付けられているのかを探究している。

 本展「A Fire on My Palm」では、伊豆大島とアイスランドの火山地帯を取材した作品を発表。時に災害をもたらす自然の脅威と共存することと、そうした脅威を観光することについて考察する。

 時山桜は1996年神奈川県生まれ。2020年東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域修了。自己と周辺環境との様々なやり取りから得られるものを主題とする時山は、存在しているものの輪郭ではなく、その内側にあるものを感じ取り、自己へ還元していくことを目的として制作を行う。

「白黒の朝、反射する川と高速で飛ぶ小虫、川辺で歌う歌」では絵画や立体作品などを組み合わせ、個々の作品から派生した物語を鑑賞者が自身の記憶と結びつけ、異なる時空間の蓄積や密度、関係性を築くことを試みる。

 先に開催される「TOKAS-Emerging 2022」第1期(4月2日~5月8日)には、むらたちひろ、ジョイス・ラム、冨樫達彦の3名が参加。第2期会期中には本プログラム審査員の長谷川新をゲストに招き、出展作家とのトークイベントを予定している。