EXHIBITIONS

TOKAS-Emerging 2022 第1期

むらたちひろ unknown moments #04 2020 撮影=麥生田兵吾

ジョイス・ラム 家族に関する考察のトリロジー 2021

冨樫達彦 Drinking 2021

「TOKAS-Emerging」は、トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が若手アーティストの活動支援として2001年から継続している公募プログラム。日本在住の35歳以下のアーティストを対象に、個展開催の機会を提供している。

「TOKAS-Emerging 2022」では、全国から142組の応募があり、審査を経て6名のアーティストを選出。平面、立体、映像、インスタレーションなど、多様なジャンルにまたがる新進気鋭のアーティストたちによる個展を、2022年4月から6月まで2会期にわたって開催する。第1期(4月2日~5月8日)に参加するのは、むらたちひろ、ジョイス・ラム、冨樫達彦の3名。

 むらたちひろは1986年京都府生まれ。2011年に京都市立芸術大学大学院工芸専攻染織を修了し、現在も京都府を拠点に活動。染色技法の応用や「染まる現象」そのものに注目し、独自の手法を用いて染織に内包される時間的・空間的な揺らぎに対峙している。

 むらたは、引き寄せたくともとらえきれない過去の記憶をモチーフとした「internal works / 彼方の果」を発表。浸透していく色やにじみの様相を通して、私たちそれぞれの「過去/現在」の揺らぎを描く。

 ジョイス・ラムは香港生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻に在籍し、神奈川県を拠点に活動。これまで香港、カナダ、イギリス、日本で生活した経験を持ち、自身の所属する場所を探るなかで社会を構成する最小単位である「家族」の定義をとらえ直している。

「家族に関する考察のトリロジー」では、国や組織がつくる複数の家系図を用いて、制度の問題や家族の関係性などを考察したレクチャーパフォーマンスに基づく映像インスタレーションを発表する。

 冨樫達彦は1992年山形県生まれ。2018年にサンドベルグ・インスティテュート・ファインアート専攻を修了し、現在は東京都を拠点に活動。料理を生業としながら制作を行い、作品の持つ本質的な何かを「味」という言葉でとらえる。

 本展では「Eat Your School, Don’t Do Vegetable」と題し、様々なリサーチをもとに5つの立体作品からなるインスタレーションを展示。作品やこの世界を「味わう」ことで感じ、考えられることは何かを問いかける。

 なお第2期(5月21日~6月26日)には、婦木加奈子、山田沙奈恵、時山桜の3名が参加。4月2日に本プログラム審査員の三本松倫代を招き、出展作家とのトークイベントを予定している。