EXHIBITIONS

カラーフィールド 色の海を泳ぐ

2022.03.19 - 09.04

フリーデル・ズーバス 捕らわれたフェニックス 1982
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
© 2022 Friedel Dzubas / ARS, New York / JASPAR, Tokyo G2749

フランク・ステラ モールトンヴィル II 1966
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
© 2022 Frank Stella / ARS, New York / JASPAR, Tokyo G2749

ケネス・ノーランド あれ 1958-59
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
© Kenneth Noland / VAGA at ARS, NY / JASPAR, Tokyo 2022 G2749

モーリス・ルイス 無題(イタリアン・ヴェール) 1960
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵

ラリー・プーンズ 雨のレース 1972
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
© Larry Poons / VAGA at ARS, NY / JASPAR, Tokyo 2022 G2749

ジュールズ・オリツキー 高み 1966
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
© Jules Olitski / VAGA at ARS, NY / JASPAR, Tokyo 2022 G2749

 DIC川村記念美術館が展覧会「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」を開催する。カナダのデイヴィッド・マーヴィッシュ・ギャラリーの協力を得て、日本初の「カラーフィールド」展となる。

 カラーフィールドは、1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向。大きなキャンバス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面をつくり出した。この抽象絵画の潮流は、その後の美術にも影響を与えている。

 本展では、カラーフィールド作品の収集で世界的に知られるマーヴィッシュ・コレクションとDIC川村記念美術館の収蔵品から、カラーフィールド関連の9作家を取り上げ、主に1960年代以降に制作された約50作品を展観する。

 出品作家は、ジャック・ブッシュ、アンソニー・カロ、フリーデル・ズーバス、ヘレン・フランケンサーラー、モーリス・ルイス、ケネス・ノーランド、ジュールズ・オリツキー、ラリー・プーンズ、フランク・ステラ。

 カラーフィールドの作家たちは、色彩と絵画の関係を各々の方法で模索し、その過程で多くの作家が独自の描画に至った。変形的な外形を持つシェイプト・キャンバスの使用や、絵具をキャンバスに染み込ませるステイニング技法、あるいはスプレーガンの噴霧で色を蒸着させる画法など、従来では考えの及ばなかった手法を考案し、絵画に新たな地平を切り拓いた。

 本展では、床置きの立体作品や横5メートルを超える大型絵画なども並び、展示の章ごとに明度差をつけることで、ゆらめく色の海を回遊するような空間を展開。作家たちの色彩との格闘と新たな技法の開拓、色彩の持つ無限の可能性に目を向ける。