EXHIBITIONS
Role Play
プラダ 青山店は、展覧会「Role Play(ロール プレイ)」を開催する。プラダ財団の支援を得て企画された本展には、国際的に活躍しているアーティスト、ジュノ・カリプソ、ベアトリーチェ・マルキ、ハルカ・サカグチ、グリセルダ・サン・マルティン、澤田知子、ボゴシ・セククニが参加する。
作家活動などで知られるメリッサ・ハリスがキュレーションする本企画は、代替可能かつ理想化されたアイデンティティを模索し、投影し、つくり上げる概念について探求するもの。アーティストたちが、ロールプレイングや分身の創造、自己の拡散などを切り口として、個人の本質や表向きの人格の追求とその理解に迫る。
ジュノ・カリプソ(1989年生まれ、イギリス・ロンドン出身)の「What To Do With a Million Years?」(2018)は、全体がピンク色で装飾された、70年代にラスベガスの地下に核攻撃の際の避難場所として建てられた邸宅をカメラに収めたシリーズ。この邸宅は近年、不老不死と永遠の若さを手に入れようとする謎のグループが所有しており、外の世界をシミュレートした場所となっている。
ベアトリーチェ・マルキ(1986年生まれ、イタリア・ガララーテ出身)は自身の分身のひとつであるケイティに焦点を当てたオーディオ作品《Never Be My Friend》(2014)において、自身の解釈を加えた多義的なキャラクターにより、伝統やジェンダーの固定観念を皮肉りながら実際の社会的な問題を訴える。
ハルカ・サカグチ(1973年生まれ、大阪出身)とグリセルダ・サン・マルティン(1978年生まれ、バルセロナ・スペイン出身)は、「Typecast」(2019)と題した風刺的なポートレイトシリーズを通じて、米国のエンターテインメントや映画業界における多様性の欠如を訴えかける。このような現実を浮き彫りにし、メディアに蔓延する人種的偏見を深く掘り下げるため、頻繁に提供される典型的な役や憧れの役を体現している俳優たちをカメラに収めている。
澤田知子(1977年生まれ、神戸市出身)は写真シリーズ「OMIAI♡」(2001)で、衣装、かつら、化粧、体重を増やすなどによって、30人の異なるキャラクターに変身する。これらのポートレイト写真は、家族が自分の子供の写真を交換し、その子にふさわしい相手を見つけようとする、日本のお見合いという習慣や初顔合わせの際の写真を再現している。
そしてボゴシ・セククニ(1991年生まれ、南アフリカ・ヨハネスブルグ出身)は、疎遠になっている父親との関係をシミュレートした2つのスクリーンのビデオインスタレーション「Consciousness Engine 2: absentblackfatherbot」(2013)を発表。デジタルネットワーク時代における人間の意識に関する探求の一部であるこの作品は、3Dでアニメーション化された2人の話し手とする頭部だけのアバター(化身)が、セクフニの18歳の時のFacebookで交わした緊迫感あるチャットのやりとりをロボットの声で再現している。
本展では、6組が手がける写真や映像、音声作品がクリエイティブ・エージェンシーのRandom Studioによる光のインスタレーションのなかで展開される。
なお本展キュレーターのメリッサ・ハリスは、次のように指摘する。「分身や表向きの人格、化身は自分の望みであるかもしれない。おそらくそれは、自分の個人的、文化的な背景や他者意識に関連しているとも言え、アクティビズムのひとつ、あるいは、既成概念にとらわれずに、相手の立場に立って考えるという共感を得るための手段であるかもしれないのです」。
作家活動などで知られるメリッサ・ハリスがキュレーションする本企画は、代替可能かつ理想化されたアイデンティティを模索し、投影し、つくり上げる概念について探求するもの。アーティストたちが、ロールプレイングや分身の創造、自己の拡散などを切り口として、個人の本質や表向きの人格の追求とその理解に迫る。
ジュノ・カリプソ(1989年生まれ、イギリス・ロンドン出身)の「What To Do With a Million Years?」(2018)は、全体がピンク色で装飾された、70年代にラスベガスの地下に核攻撃の際の避難場所として建てられた邸宅をカメラに収めたシリーズ。この邸宅は近年、不老不死と永遠の若さを手に入れようとする謎のグループが所有しており、外の世界をシミュレートした場所となっている。
ベアトリーチェ・マルキ(1986年生まれ、イタリア・ガララーテ出身)は自身の分身のひとつであるケイティに焦点を当てたオーディオ作品《Never Be My Friend》(2014)において、自身の解釈を加えた多義的なキャラクターにより、伝統やジェンダーの固定観念を皮肉りながら実際の社会的な問題を訴える。
ハルカ・サカグチ(1973年生まれ、大阪出身)とグリセルダ・サン・マルティン(1978年生まれ、バルセロナ・スペイン出身)は、「Typecast」(2019)と題した風刺的なポートレイトシリーズを通じて、米国のエンターテインメントや映画業界における多様性の欠如を訴えかける。このような現実を浮き彫りにし、メディアに蔓延する人種的偏見を深く掘り下げるため、頻繁に提供される典型的な役や憧れの役を体現している俳優たちをカメラに収めている。
澤田知子(1977年生まれ、神戸市出身)は写真シリーズ「OMIAI♡」(2001)で、衣装、かつら、化粧、体重を増やすなどによって、30人の異なるキャラクターに変身する。これらのポートレイト写真は、家族が自分の子供の写真を交換し、その子にふさわしい相手を見つけようとする、日本のお見合いという習慣や初顔合わせの際の写真を再現している。
そしてボゴシ・セククニ(1991年生まれ、南アフリカ・ヨハネスブルグ出身)は、疎遠になっている父親との関係をシミュレートした2つのスクリーンのビデオインスタレーション「Consciousness Engine 2: absentblackfatherbot」(2013)を発表。デジタルネットワーク時代における人間の意識に関する探求の一部であるこの作品は、3Dでアニメーション化された2人の話し手とする頭部だけのアバター(化身)が、セクフニの18歳の時のFacebookで交わした緊迫感あるチャットのやりとりをロボットの声で再現している。
本展では、6組が手がける写真や映像、音声作品がクリエイティブ・エージェンシーのRandom Studioによる光のインスタレーションのなかで展開される。
なお本展キュレーターのメリッサ・ハリスは、次のように指摘する。「分身や表向きの人格、化身は自分の望みであるかもしれない。おそらくそれは、自分の個人的、文化的な背景や他者意識に関連しているとも言え、アクティビズムのひとつ、あるいは、既成概念にとらわれずに、相手の立場に立って考えるという共感を得るための手段であるかもしれないのです」。