EXHIBITIONS

横野明日香 個展「花と灯台」

2022.03.07 - 03.26

横野明日香の作品 「現代美術のポジション」展(名古屋市美術館、2022)での展示風景

横野明日香の作品 「現代美術のポジション」展(名古屋市美術館、2022)での展示風景

横野明日香の作品 「現代美術のポジション」展(名古屋市美術館、2022)での展示風景

 大阪のGALLERY ZEROでは、横野明日香の新作個展「花と灯台」を開催する。

 横野は、キャンバスを勢いのあるストロークで描ききる、力強い作風で知られる若手作家。直線や曲線、勢いのあるストロークにより、シンプルなフォルムにまとめ構成された風景や静物は、胸が空くような潔さを見るものに与えてくれる。かつてアメリカの抽象表現主義の作家たちが、キャンバスのなかに運動を取り込もうとしたように、横野もまた、自身の絵画のなかで運動性と構成力の調和を試みている。

 本展「花と灯台」では、光の粒子のような、小さなサイズの絵画を展示。作家は次のコメントを出している。

「これは私の作品の中でもサイズの小さなキャンバスのシリーズです。これまで、キャンバスの終わりをあまり気にすることなく絵の具に包み込まれるような体験のできる、大きなキャンバスに描くことが多かったのですが、この小さなキャンバスのシリーズはあえてキャンバスの『終わり』を見せています。花が開こうとするエネルギーを表現しようと、筆の勢いは見えないキャンバスの外まで続き、アトリエには絵の具が飛び散っています。キャンバスの外の空間まで想像が膨らむような作品になってほしいのです。

灯台の作品は、光の方向や構図などを、元々のキャンバスの形任せにしています。その形があったからこそ生まれた絵です。色んな方向に向かってエネルギーが発せられている複数の作品を同じ空間に飾ることで、大きなキャンバス作品とは違った絵画空間を体験できるのではないかという、試みの展覧会です(横野明日香)」。