EXHIBITIONS
北村周一
フラッグ《フェンスぎりぎり》一歩手前
個展を軸に作品の発表を続けている画家、北村周一(1952年生まれ)。北村は中央大学法学部に学ぶ一方で新宿美術研究所に通い、麻生三郎、山口長男らの指導を受けた。その後1982年より2006年まで、かわさきIBM市民文化ギャラリーに勤務。20年以上にわたって企画・編集に携わりながら、画家としての活動を続けてきた。
最初期から一貫して抽象画に取り組んでいる北村だが、「フラッグ《フェンスぎりぎり》」という奇抜な展覧会タイトルは、北村が2008年の個展から使い続けているもの。「フラッグ」とは、“上下左右に動く2本の線が一点で交差しようとするとき、その交差の直前(一歩手前)に発現する空間”についての、北村独自の呼称であり、彼の作品に通底する空間概念。北村のつくりだす画面において、「フラッグ」はさまざまな様態に展開されている。
北村の作品には、「小石を繫ぐ」「縁側」「ライン消し」などのように、しばしば画面からは思いもよらない題名が与えられている。題名は、作品の背後に存在する彼自身の経験や思考の痕跡を示すものであり、彼にとっては作品を“名づける”ということも大きな意味をもっている。このことは、彼が日ごろから取り組んでいる短歌とも深く関わってる。
自らの仕事について、「ごくあたりまえのこと、基本的なことを、堂々巡りに見えることを恐れず、繰り返す」行為であると語る北村。彼の主題は、「フラッグ」のように、日常ではごくあたりまえのように目にしていながら省みられることがない、そんな事象のうちにある。本展は、都内の美術館では初の個展となる。
最初期から一貫して抽象画に取り組んでいる北村だが、「フラッグ《フェンスぎりぎり》」という奇抜な展覧会タイトルは、北村が2008年の個展から使い続けているもの。「フラッグ」とは、“上下左右に動く2本の線が一点で交差しようとするとき、その交差の直前(一歩手前)に発現する空間”についての、北村独自の呼称であり、彼の作品に通底する空間概念。北村のつくりだす画面において、「フラッグ」はさまざまな様態に展開されている。
北村の作品には、「小石を繫ぐ」「縁側」「ライン消し」などのように、しばしば画面からは思いもよらない題名が与えられている。題名は、作品の背後に存在する彼自身の経験や思考の痕跡を示すものであり、彼にとっては作品を“名づける”ということも大きな意味をもっている。このことは、彼が日ごろから取り組んでいる短歌とも深く関わってる。
自らの仕事について、「ごくあたりまえのこと、基本的なことを、堂々巡りに見えることを恐れず、繰り返す」行為であると語る北村。彼の主題は、「フラッグ」のように、日常ではごくあたりまえのように目にしていながら省みられることがない、そんな事象のうちにある。本展は、都内の美術館では初の個展となる。