EXHIBITIONS

ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント

2022.02.23 - 04.10

フィンセント・ファン・ゴッホ 夜のプロヴァンスの田舎道 1890年5月12-15日頃
クレラー=ミュラー美術館蔵 © Kröller-Müller Museum, Otterlo, The Netherlands

フィンセント・ファン・ゴッホ 種まく人 1888年6月17-28日頃
クレラー=ミュラー美術館蔵 © Kröller-Müller Museum, Otterlo, The Netherlands

フィンセント・ファン・ゴッホ 黄色い家(通り) 1888年9月
ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
© Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)

フィンセント・ファン・ゴッホ レモンの籠と瓶 1888年5月
クレラー=ミュラー美術館蔵 © Kröller-Müller Museum, Otterlo, The Netherlands

フィンセント・ファン・ゴッホ 悲しむ老人(「永遠の門にて」) 1890年5月
クレラー=ミュラー美術館蔵 © Kröller-Müller Museum, Otterlo, The Netherlands

「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が名古屋市美術館に巡回する。延べ30万人が来場した東京会場から福岡会場へ、そして最終会場での開催となる。

 ヘレーネ・クレラー=ミュラーは、ゴッホがまだ評価の途上にあった1908年から積極的にその作品を集め、20世紀初頭にゴッホ作品の世界最大の収集家となった。西欧美術の流れを踏まえた近代絵画のコレクションとともに、ゴッホ作品の感動を多くの人々と分かち合い、また後世に伝えるべく、1938年にクレラー=ミュラー美術館を開館。ゴッホの芸術に深い精神性を見出し、情熱と理念をもって収集活動に打ち込んだヘレーネは、作品を広く公開するという長年の夢を実現させた翌年に、70歳で逝去した。

 本展は、作品を通じて魂の交流とも言える深い結びつきを得た画家と収集家の関係に焦点を当て、ゴッホの魅力に迫るもの。16年ぶりの来日となる《夜のプロヴァンスの田舎道》をはじめ、クレラー=ミュラー美術館のコレクションから選りすぐりのゴッホの油彩画28点と、素描・版画20点を展示する。また、ミレーやルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンらの作品20点もあわせて紹介し、近代絵画の展開をたどるべく築かれた、ヘレーネの類まれなコレクションを展覧する。

 さらに本展では、ファン・ゴッホ美術館から《黄色い家(通り)》を含む4点が特別に出品。ゴッホの人気が飛躍的に高まっていく背景にも注目する。