EXHIBITIONS
クリテリオム98
西澤諭志
水戸芸術館現代美術ギャラリーで1992年に始まった「クリテリオム」は、若手作家と水戸芸術館の学芸員が共同企画する新作中心の展覧会シリーズ。98回目となる今回は、カメラを用いて個人の身辺を記録し、そこに写りこむ社会的、経済的な側面へと意識を向けた写真作品や映像作品を制作する西澤諭志を紹介する。
西澤は1983年長野県生まれ。東北芸術工科大学情報デザイン学科映像コース(現・映像学科)で写真を学び、2008年の卒業後は、東京を拠点に活動。平凡で雑然とした大学構内の一角を大判カメラで写し取りフィクションのように見せた《絶景》(2007〜2011)や、1年間自室を撮り続けた映像作品《百光》(2013)など、自らの身辺に目を向けた作品で評価を得る。これまで、写真新世紀2008佳作(飯沢耕太郎選)、写真新世紀2007佳作(南條史生、榎本了壱、具本昌選)を受賞している。
およそ5年間の模索を経た近作で西澤は、「身辺」の対象範囲を全国津々浦々へと拡げ、過去の災禍を象徴する記念碑や展示・観光施設、復興中の被災地といったモチーフにも取り組んでいる。
出来事の記憶を継承しながらも、幾多の風化や忘却の上にあるこれらの記念的造形物(モニュメント)をどう見るのか、その背後にはいかなる力学が作用しているのか。本展ではこれらの主題に加え、日常に溶け込んだ行動変容や眼に見えない制約が垣間見える2019年以降の記録を再編集し発表する。
西澤は1983年長野県生まれ。東北芸術工科大学情報デザイン学科映像コース(現・映像学科)で写真を学び、2008年の卒業後は、東京を拠点に活動。平凡で雑然とした大学構内の一角を大判カメラで写し取りフィクションのように見せた《絶景》(2007〜2011)や、1年間自室を撮り続けた映像作品《百光》(2013)など、自らの身辺に目を向けた作品で評価を得る。これまで、写真新世紀2008佳作(飯沢耕太郎選)、写真新世紀2007佳作(南條史生、榎本了壱、具本昌選)を受賞している。
およそ5年間の模索を経た近作で西澤は、「身辺」の対象範囲を全国津々浦々へと拡げ、過去の災禍を象徴する記念碑や展示・観光施設、復興中の被災地といったモチーフにも取り組んでいる。
出来事の記憶を継承しながらも、幾多の風化や忘却の上にあるこれらの記念的造形物(モニュメント)をどう見るのか、その背後にはいかなる力学が作用しているのか。本展ではこれらの主題に加え、日常に溶け込んだ行動変容や眼に見えない制約が垣間見える2019年以降の記録を再編集し発表する。



