EXHIBITIONS

切出小刀-大工道具鍛冶が込めた想い

2022.03.05 - 05.08

千代鶴是秀作「自尊」(個人蔵)

切出小刀を使用している様子(木工)

 竹中大工道具館で、切出小刀(きりだしこがたな)の数々を紹介する企画展「切出小刀-大工道具鍛冶が込めた想い」が開催される。

「切出小刀」は木の細かい細工などに使われる小型刃物のひとつ。カッターナイフが普及する以前、大工仕事や竹細工、木彫など、子供の工作から家庭用に至るまで様々な用途で使われた身近な刃物だった。大工道具鍛冶にとっての切出小刀は、鑿(のみ)や鉋(かんな)のように厳密に決められた定形がないため、自らの自由な発想を盛り込むことのできる数少ない刃物と言える。

 本展では、実用品であった切出小刀を美術品レベルの刃物に昇華させた不世出の鍛冶・千代鶴是秀をはじめ、石堂秀一や千代鶴太郎、長谷川幸三郎、宮野鉄之助ら、「用の美」を極めた大工道具鍛冶の名工が手がけた切出小刀が一堂に揃う。

 会場には切出小刀について解説するパネルや映像の展示も。木工や竹工の職人が使う実用的な切出小刀、デザインを重視した切出小刀などを含む約60点が並び、匠の技と個性を垣間見ることができる逸品の数々を紹介する。