コレクション展 2022-冬春 特集「若き日の野長瀬晩花」

　和歌山県立近代美術館が特集展示「コレクション展 2022-冬春 特集：若き日の野長瀬晩花」を開催する。

　1963年に開館した和歌山県立美術館を前身とする同館は、1970年11月、県民文化会館内に開館して以来、明治時代以降の和歌山ゆかりの作家の紹介を中心に活動を続けてきた。1994年には黒川紀章の設計による現在の建物でリニューアルオープンすると同時に、作品収集の範囲を国内外へ広げ、現在で は日本画、洋画、彫刻、版画など総数1万点を超える作品を所蔵するに至った。

　これまで同館のコレクション展では、幅広い美術の表現に接してもらえるよう、季節ごとに展示を替え、日本画や版画など各分野で活躍した個性豊かな人物を多数輩する和歌山ゆかりの作家を中心に、様々な観点から所蔵作品の紹介を続けている。

　今回の特集展示では、和歌山出身で、1918年に京都で国画創作協会を創立し、斬新な日本画を発表した野長瀬晩花（のながせ・ばんか、1889〜1964）を取り上げ、若き日の晩花が、当時京都の主流であった円山・四条派の写生を脱し、ポスト印象派などの影響下で先鋭化していく様子を紹介する。

　また、高井貞二や村井正誠ら和歌山とゆかりの深い作家や近代日本美術を代表する作家の作品も交え、近現代の美術の流れをたどれるよう構成する。