EXHIBITIONS

第14回恵比寿映像祭 YEBIZO MEETS(地域連携プログラム)

東恩納裕一、滝戸ドリタ / 世界の涯ての庭と室内。

AL
2022.02.03 - 02.13

東恩納裕一 void+(東京、2020)での展示風景

滝戸ドリタ The power of muscle with plants.もし植物に筋肉があったなら。 2021

 東恩納裕一と滝戸ドリタによる2人展「世界の涯ての庭と室内。」がAL|TRAUMARISで開催される。「第14回恵比寿映像祭『スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE』」(2月4日~20日)地域連携プログラムの参加企画展。

 今年の恵比寿映像祭の総合テーマ「スペクタクル後 After the Spectacle」と連動する本展が着目するのは、「人に見られている/いないに関わらず環境に存在する営み」。誰かに見せることだけを目的としないアクションやたたずまいに、定点観測、観察日記、パーソナルジャーナル、ビハインドストーリーといった視点を見出すことから出発している。

 東恩納裕一は、ふだんから馴染みがありながら、どこかよそよそしい疎遠な距離感を感じさせる「不気味なモノ(ジグムント・フロイト)」をキーワードに、日常に潜む異化された感覚をテーマとする作品を長年にわたって制作。いっぽう滝戸ドリタ(Dorita)は、2016 年に第7回恵比寿映像祭に出展した、虫の足音を音と振動で体感させる《Bug’s Beat》で注目され、アルスエレクトロニカでも受賞経験を持つ気鋭のアーティストだ。

 また滝戸は、2021年夏、千葉県幕張市の日本庭園を舞台に夜間のみ開催された芸術祭「生態系へのジャックイン」では、人工筋肉やロボティクスの技術を施し、まるで自らの意思で動いているかのように運動する植物を展示した。

 本展では、滝戸の運動する植物と、コロナ禍の事象への観察をさらに掘り下げた東恩納のインスタレーションが交錯する。見られることにかかわらず環境に存在し、世界のはてに残されても結実する「庭と室内」のイメージが立ち上がる。