EXHIBITIONS

トラ時々ネコ 干支セトラ

2022.01.29 - 03.07, 2022.03.09 - 04.10

円山応挙 虎図 福田美術館蔵 前期展示

与謝蕪村 猛虎飛瀑図 福田美術館蔵 後期展示

大橋翠石 猛虎之図 福田美術館蔵 通期展示

 福田美術館では2022年の寅年にちなみ、企画展「トラ時々ネコ 干支セトラ」を開催する。

 トラはインド、中国からロシア、中央アジア一帯に生息するネコ科の動物。中国や朝鮮半島では、武勇や王者の象徴とされていた。トラの生息していない日本でも、龍とともに霊獣とされ、絵画や工芸品などの意匠として用いられてきた。

 江戸時代の画家たちがトラを描くときに参考にしたのは、中国などから輸入された毛皮や絵画。そのため頭のすぐ後ろで肩が盛り上がっていたり、前脚の関節がなかったりと不自然な姿をしている。また詳細が不明な部分は実際に観察できるネコを参考にしていたため、ネコのようなトラ「ネコトラ」が多く描かれた。そして明治時代に入ってトラが動物園で飼育され始めると、竹内栖鳳、大橋翠石をはじめ多くの画家が写生に通い、写実的なトラを描くようになった。

 本展では、与謝蕪村、円山応挙など江戸時代に活躍した画家や、竹内栖鳳や大橋翠石ら明治〜昭和にかけて活躍した有名画家が描く虎の絵を主役として、ほかの干支の動物を描いた作品なども福田コレクションのなかから厳選して紹介。また2022年が「ニャーニャーニャー」とも読めることから、愛らしい猫を描いた絵画も「時々」並べて展示する。