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EXHIBITIONS

コレクション・五題

特集展示 西宮の日本画家 生誕130年 寺島紫明

2022.01.22 - 03.13

寺島紫明 夕月 1916 大関株式会社蔵

寺島紫明 若婦 1949 大関株式会社蔵

横山大観 若葉 1914

 西宮市大谷記念美術館では、同館の所蔵品を全館で展示する展覧会「コレクション・五題 『特集展示』西宮の日本画家 生誕130年 寺島紫明」を開催している。

 今回は、同館で恒例となる近代日本画コレクションの展示のほか、2020年度の新収蔵作品と関連する作品、そして生誕130年を迎える西宮ゆかりの日本画家・寺島紫明(てらしま・しめい)の特集展示など、5つのテーマ「五題」に沿って紹介する。

 特集展示で取り上げる寺島紫明は、現在の兵庫県明石市出身。鏑木清方に師事し、同門の伊東深水と並び称せられる美人画家だ。東京で研鑽を積み活躍していたが、1936年に現在の西宮市甲東園に移り住んで以降、他界するまで、西宮市の画室でほのかな情感を描き出す美人画を制作し続けた。本展示では、寄託を受けた大関コレクションを中心に寺島作品十数点が並ぶ。

 次のテーマ「日本画 屏風の魅力」では、富岡鉄斎、橋本関雪、山下摩起による作品を集め、屏風の魅力に注目。「日本画 院展の作家を中心に」では、1898年、岡倉天心(覚三)によって創設され、伝統的な絵画技法の近代化を図った日本美術院に参加していた横山大観や菱田春草ら、同団体にゆかりのある画家たちの作品を紹介する。

 続くテーマは「2020年度新収蔵作品 現代美術編」。昨年度の新収蔵作品のうち、現代美術では神戸を拠点に活躍した奥田善巳(おくだ・よしみ 1931〜2011)、木下佳通代(きのした・かづよ、1939〜1994)と、京都を拠点に活躍する中馬泰文(ちゅうま・やすふみ、1939〜)の作品が加わった。このなかで奥田と木下の作品は、神戸市出身の美術家・植松奎二の旧蔵品で、3人の美術家の交流が伺える。本展では関連の所蔵品とあわせ、植松から寄贈された新収蔵品の初公開を行う。

 そして「2020年度新収蔵作品とともに 洋画家・亀高文子を中心に」では、女性洋画家の先駆けのひとりで、西宮市に女性への洋画普及のための研究所、赤艸社女子絵画研究所を創設した亀高(渡辺)文子の作品と、同時代に活躍した画家たちの作品をともに初めて公開する。