EXHIBITIONS

Directors’ Selection – FOCUS

木村 剛士 / 杉山 卓朗 / 平野 泰子

2022.01.21 - 02.19

キービジュアル

木村剛士 ”工場の臓物”インサイドアウト 2020

杉山卓朗 そらしめ 2018

平野泰子 Open sign 2022

 TEZUKAYAMA GALLERYでは、木村剛士、杉山卓朗、平野泰子のアーティスト3組によるグループ展「Directors’ Selection – FOCUS」を開催する。

 本展はTEZUKAYAMA GALLERYにて展覧会の企画を行う3名のディレクター各々が、独自の観点でアーティスト1組を選出・紹介。これまでに2013年、2017年、2018年、2020年と過去4回にわたり、同様の趣旨の展覧会を開催し、今回が5回目となる。

 木村剛士は宮城県出身、多摩美術大学院美術研究科彫刻専攻を修了。周囲の環境は「自分の体を裏返したもの」という視点から、地域の食文化や周囲の自然環境とをつなごうとする制作を行っており、彫刻を内包する造形性も含めた様々な特性を社会的な要素も含めて取り巻く環境としてとらえようとする彫刻制作を行っている。

 杉山卓朗は1983年千葉県生まれ、大阪美術専門学校研究科を修了。キャンバスを前にして起こるイマジネーションや衝動を廃して、線や面を反復、再構築しながら絵画を制作。イメージの生成において、作家自身の介入を最小限にとどめた制作方法を用いている。マスキングを使わずに描きながらも、肉筆という霊性からも限りなく遠い絵画表現を目指す。

 平野泰子は1985年富山県生まれ、京都精華大学芸術学部造形学科洋画専攻卒業。現在は神奈川県在住。作品の根底には「風景」があるが、絵具を幾層にも塗り重ねる行為によって生まれる空間や現象に注目するようになり、制作のなかから生まれる眼差しや、不確かなものに強度を持たせるために制作している。

 人間の内面的な要素とその周りの環境や社会のつながりをテーマとする木村は、本展ではブロンズでの彫刻作品を中心に新作を発表。杉山の絵画は、自身のイマジネーションや主観的なものを排除し、高い緊張感を感じさせる。そして平野は何層にもわたって薄く塗り重ねた色彩のなかに、非常に深みのある空間を感じさせる絵画を制作・発表する。

 3人の異なる要素を持ち合わせた作家たちがどのように共鳴し合うのか、会場で体感してほしい。