EXHIBITIONS

DOMANI・明日2021-22 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち

DOMANI plus @ 愛知「まなざしのありか」長島有里枝、古橋まどか

港まちポットラックビル3F、旧・名古屋税関港寮
2022.01.18 - 03.12

古橋まどか El Nadir 2019 参考作品

長島有里枝 個展「家庭について / about home」(MAHO KUBOTA GALLERY、東京、2016)での展示風景
撮影=木奥恵三 写真提供=MAHO KUBOTA GALLERY

 文化庁による新進芸術家海外研修制度の成果を発表してきた「DOMANI・明日展」。1998年からスタートし、第11回から第23回までは国立新美術館(東京)で年に1度のアニュアル展として催されてきた。途中からは「DOMANI・明日展 plus」などで地方会場やオンラインでの開催も加わり、次第に活動の幅を広めている。

 第24回を迎える今年度の「DOMANI・明日展」は、新型コロナウイルスの影響を受け、例年の国立新美術館での大規模展開催が難しく、今回は、従来から実現の機会を探ってきた地域展開に挑む。これまでの地方会場の「DOMANI・明日展 plus」シリーズを踏襲した中・小規模の企画展「DOMANI plus」、そして文化施設の自主企画に連動する特別プログラム「and DOMANI」を2021〜2022年にかけて5会場で展開していく。

 参加アーティストは、宮永愛子(京都府立図書館)、蓮沼昌宏(水戸芸術館)、村上友重+黒田大スケ(広島城二の丸)、大塚泰子、冨井大裕(愛知県美術館ギャラリー)、長島有里枝、古橋まどか(港まちポットラックビル3F、旧・名古屋税関港寮)、志賀理江子(旧観慶丸商店・宮城県石巻市)※()内は関連展示・企画展会場。

「DOMANI plus」は愛知と宮城で開催。愛知では港まちポットラックビルおよび旧・名古屋税関港寮(2022年1月18日~3月12日)にて長島有里枝、古橋まどかが、愛知芸術文化センター内(2022年1月18日~1月23日)にて大塚泰子と冨井大裕港が参加する。

 長島有里枝は1973年東京都生まれ。カリフォルニア芸術大学ファインアート科写真専攻修士課程、武蔵大学人文科学研究科博士前期課程を修了。社会で周縁化されがちな人々や事象に、フェミニズム的視座から注目した作品を多く制作している。近年は写真だけでなく立体作品、映像、文章の執筆など、表現ジャンルを超えた活動を行っている。

 古橋まどかは英国AAスクールで建築を学び、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート大学院芸術学科修士課程を修了。現在は愛知を拠点に制作。有形であるもの、無形の身体、エネルギー、労働などをリサーチの主題とし、滞在制作を基軸に活動し、地域、場所、時間特性を反映する彫刻、インスタレーション、空間表現を手がけている。

 2人の作品が展開されるのは、貿易を中心に様々な場所から人やものが行き交いしてきた港まち。いまから100年ほど前に埋め立てによってつくられたこの場所は、人々が日々の暮らしを重ねてきた場所でもある。

 長島は港まちポットラックビル内で、自身の母親と、また自身のパートナーの母親と共同で制作したタープとテント、その制作過程や日々の暮らしで撮影した写真によって会場を構成。いっぽう古橋は旧・名古屋税関港寮で、コロナ禍の愛知にて経験した家族の死、新たな日課となった庭づくりに加え、瀬戸の鉱山への来訪などを経て、2021年秋からの港まちでの滞在制作(「MAT, Nagoya Studio Project vol.7」)によって、自然史の延長に身体をとらえた新作を発表する(港まちポットラックビル、旧・名古屋税関港寮はそれぞれ徒歩10分圏内)。

 また、大塚泰子、冨井大裕による展示は、同じ名古屋市内にある愛知芸術文化センター内にて、1月23日まで開催。なお「DOMANI plus」宮城会場は、アーティストの志賀理江子らが参加する「つまずきの庭」展(2月19日~3月13日)を開催予定だ。「DOMANI・明日展」のウェブサイトにて詳細・最新情報をチェックしてほしい。