EXHIBITIONS

木村太陽「cloud seeding」

木村太陽 Untitled 2021

木村太陽 Untitled 2021

 木村太陽の新作個展「cloud seeding」がギャルリー東京ユマニテで開催される。

 木村は1995年創形美術学校研究科卒業後から作品を発表し、2000年以降はドイツ、ニューヨークを拠点にヨーロッパ、アメリカなど国内外で活躍。現在は神奈川を拠点に活動をしている。何気ない日常のなかで出会う些細な違和感や、存在意識のなかに隠れる感覚を独自のユニークな視点で立体、インスタレーション、映像など多様なメディアを駆使して発表してきた。

 2020年のギャルリー東京ユマニテでの個展では、殆ど触れ合うほどの距離で耳元にささやく生々しい口元、ガスマスクから吐き出された夥しい棺、淡々と仕事を全うする無数の警官など、木村が当初から興味をもっていた人間の想像力、群集心理、頭の中で勝手につくり上げた「常識」がきっかけとなり、見るものの知らず知らずのうちに身体の隅々にこびり付いた習慣や感覚、深層心理をあぶり出した。

 今回の展覧会タイトルは「cloud seeding」。コロナ禍のいま、安易に答えが出ないかもしれない木村の作品と対峙することで、昔の記憶をたどり、考え続ける、その種まきができるかもれない。

 昨年の新作展に続いて今回もペインティング、ドローイングのほかに立体作品による構成。さらに旧作のヴィデオ作品も会期中(12月13日〜25日)にB1Fスペースにて展示する。