ルディ・クレモニーニ「Room 104」

　104GALERIEは、イタリアを拠点に活動するルディ・クレモニーニの個展「Room 104」を開催。同ギャラリーでの約3年ぶりの個展では、小作品と大作品からなる新作11点を発表する。

　クレモニーニは1981年イタリア・ボローニャ生まれ。ボローニャ美術アカデミーを卒業。イタリアをはじめ、アメリカ、フランス、ドイツ、ベルギーなどで数多くの国際的な個展・グループ展に参加。数々の賞を受賞し国際的に評価を得ている。

　クレモニーニが一貫して追求している主題は、安心で心地よい環境や利便性とその引き換えに奪われる自由の間に生まれる矛盾や葛藤。作家が描く、生の魅力に満ちたものがある場所はつねに囲いに覆われており、そこには何らかの制限が生まれていることを示唆している。

　本展の作品の舞台となる「Room 104」でのプライベート・パーティもまた、各々の欲望や限られた人だけが受けられる快楽、引き換えに支払われるべきものや、管理された自由といったもので満たされている。そしてこの主題のうちでもっとも興味深いのは、犠牲を払うことのなかにこそある喜びだ。

　本展の作品に登場する人やものには、ユーモアや可愛らしさとも言える魅力があり、それらのモチーフに秘められた個人的な思考が、ほの暗く奥深い作品をつくり出す。「Room 104 」での密やかな出来事を描いたクレモニーニの作品を会場で目にしてほしい。