EXHIBITIONS

作家活動50周年記念

井津建郎作品展 「もののあはれ」

2021.11.24 - 2022.01.21

© Kenro Izu

 PGIは、写真家・井津建郎の作家活動50周年を記念した個展「もののあはれ」を開催する。

 井津は1949年大阪府生まれ。日本大学芸術学部に学んだのち渡米し、ニューヨークを拠点に制作・活動する。93年に初めてアンコール遺跡撮影のため初めてカンボジアを訪問。以後、インド、ラオス、ネパール、インドネシア、ブータン、中東などアジアの聖地の撮影を精力的に行ってきた。またカンボジアでの取材で、多くの子供たちが地雷の犠牲になっている現実を目の当りにしたことを機に、非営利団体フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーを設立。カンボジアとラオスに小児病院を建設と運営するなど多くのプロジェクトに携わる。これまで17冊の写真集を出版し、作品はニューヨーク・メトロポリタン美術館はじめ、アメリカを中心に多数の美術館に収蔵されている。

 今回、PGIでは初展示となる「もののあはれ」は、祈りや人間の尊厳をテーマに世界各地の聖地を撮影してきた井津が、能面を被写体に、近年初めて日本国内で取り組むシリーズ。能楽は室町時代から650年以上にわたり受け継がれてきた世界最古の舞台演劇だが、そこで使用する能面も当時のものが代々受け継がれている。一人座敷で能面と対峙した井津は、これに日本文化の原点を見出し、「奥深くも美しい精神性」を感じ取ったと言う。本シリーズには、綿々と受け継がれてきた人々の魂が宿り、その内にある哀艶さまでもが見事に引き出されている。

 本展は、能面のシリーズを軸に、ゼラチンシルバープリント作品約25点を展示。磐座や神社周辺の自然環境に漂う神聖性を観察した作品、コロナ禍の自粛生活のなかで、自宅周辺の道端に人知れず咲き、そして散っていく名も知らぬ草花を自然光のなかで撮影した静物写真とともに構成し、日本独特の美的理念、美意識である「侘び寂び」や「もののあはれ」を表現する。

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