堀尾幹雄コレクション 濱田庄司展

　高松市美術館で特別展「大阪市立東洋陶磁美術館所蔵 堀尾幹雄コレクション 濱田庄司展」が開催される。

　濱田庄司（1894〜1978）は昭和に活動した陶芸家。1913年、東京高等工業学校窯業課に入学し、板谷波山に教えを受けた。16年の卒業後、京都市陶磁器試験場に就職。20年にバーナード・リーチ（1887〜1979）とともに渡英し、セント・アイヴスに築窯。24年の帰国後、栃木県益子に拠点を定めて31年に築窯、沖縄や英国などの工芸を吸収しながら作品を展開した。シンプルで重みのあるかたちに、大胆かつ軽やかな釉掛けが施された濱田の作品には、個人作家としての個性が見られる。それらの作品は高い評価を受け、55年に第1回重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定された。

　本展では、大阪市立東洋陶磁美術館が所蔵する堀尾幹雄（ほりお・みきお）コレクションから濱田作品135点を展示する。

　堀尾幹雄（1911〜2005）は濱田と親交を深めながら、日常で使うことを念頭において作品を収集したコレクター。そのコレクションは濱田の喜寿の記念展覧会に併せて出版された『濱田庄司七十七盌譜（しちじゅうしちわんぷ）』の巻頭を飾った《刷毛目 茶碗》などの代表作を含んでいる。

　さらに本展では、バーナード・リーチ（1887〜1979）や河井寬次郎（1890〜1966）、芹澤銈介（1895〜1984）、棟方志功（1903〜1975）、黒田辰秋（1904〜1982）ら、濱田と交友のあった作家の作品も紹介する。

　また同時開催の関連展示「中村裕太｜丸い柿、干した柿」では、美術家・中村裕太（1983〜）が濱田作品の制作方法を検証するとともに、讃岐民芸館（香川県高松市）所蔵のやきものを織り交ぜながら新作のインスタレーション作品を展開する。