EXHIBITIONS

すべての ひとに 石が ひつよう 目と、手でふれる世界

2021.10.23 - 2022.03.29

冨長敦也 地平の人 2004

北川太郎 手の考える世界 2016-2021

ホセイン・ゴルバ 自然を洞察し、瞑想するための7つの休憩の場所、第5ストップ「水の音を聴く」 2001(参考作品)

 ヴァンジ彫刻庭園美術館は、展覧会「すべての ひとに 石が ひつよう 目と、手でふれる世界」を開催。「石の声」を聴くように制作を行う作家8名による石彫作品を紹介する。本展の参加作家は、イケムラレイコ、大木逹美、北川太郎、ホセイン・ゴルバ、長谷川さち、廣瀬智央、冨長敦也、ジュリアーノ・ヴァンジ。

 私たち人間は太古の昔から、祭祀や儀式のために、また禍いからの護身や豊穣多産の願いを込めて、自然物である石を彫り、かたちをつくってきた。丁寧に「石の声」を聴き、制作された彫刻作品を鑑賞することは、石と人間の根源的なかかわりについて、そして、いまここにいる自分という存在について、思いをめぐらせることになるだろう。

 この世にある目に見えない気配、神聖な場所から感じ取れる何かを石の力を借りて可視化しようとする長谷川さちや、人間をテーマに石を彫り続け、各地で石を磨くプロジェクトを精力的に行い、人と石とをつなげる冨長敦也、自然を洞察し瞑想するための場所を樹木の影をもとにかたちづくるホセイン・ゴルバなど、本展に参加する8人は、石という素材と真摯に向き合い、それぞれに石を彫り作品を制作するアーティストたち。

 目で見るだけでなく、手で作品にふれる「触察」を推奨する本展には、手におさまるサイズで制作された作品も多く展示され、フォルムや素材を感じ取りながら鑑賞を楽しむことができる。