EXHIBITIONS

OPEN SITE 6 Part 2

エレナ・ノックス The Host 2020

Saori Hala + Yuma Kishi Metawindow 2020

『米田恵子(1912-1992)の作品と生涯について』 2018(KYICC 2021 Committee) 撮影=永田雅裕

敷地理+早川葉南子 windows21_untitled#01 2021

Ensemble FOVE 『TRANS』 2018(坂東祐大)

「OPEN SITE」は、2016年より始まったトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)の企画公募プログラム。あらゆる表現活動が集まるプラットフォームの構築を目指し、展覧会やパフォーマンス、ワークショップなど多岐にわたる企画を開催している。

 6回目となる2021年度は、153企画の応募のなかから展示部門4企画、パフォーマンス部門3企画、そしてワークショップやシンポジウムなどを対象とするdot部門2企画を選出。さらに、TOKAS推奨プログラムと普及プログラムを加えた合計11企画をTOKAS本郷で実施する。Part 1(10月16日~11月21日)に続いて、Part 2(12月4日〜2022年1月16日)には、エレナ・ノックス(展示)、ハラサオリ(展示)、KYICC 2021 Committee(パフォーマンス)、敷地理+早川葉南子(パフォーマンス)、坂東祐大、文月悠光(TOKAS 推奨プログラム)の5組が参加する。

 エレナ・ノックスは1975年生まれ。最先端のロボットを用いたヴィデオ作品などを通じ、科学技術が発達した未来におけるアイデンティティや信念の役を試演するオーストラリアのアーティスト。今回の展示「Actroid Series II」においては、簡単な会話や受付業務を行うロボットや、バーチャルアシスタントに焦点を当てたインスタレーションを発表。生身の男性の眼差しを埋め込んだ女性型ロボットのデジタルポートレイトによって、女性的に見せかけたテクノロジーが、父権的な監視社会を密かにつくり出しつつあることを批判する。

 ハラサオリは「環境と身体」や「帰属意識」をテーマに表現する美術家、振付家、ダンサー。展示「Odd Apples」ではYuma Kishiをコラボレーターにユニゾンについて研究。「身体の集合性」に対するリサーチの一部として、人工知能に特定のダンサーの動きを学習させ、細かな癖や佇まいの解析を数値化、再構成させた映像インスタレーションを発表する。

 パフォーマンス部門には、2021年にThéâtre Musical Tokyo(TMT)のメンバーを基体として結成されたKYICC 2021 Committeeと、ともに振付家、ダンサーの敷地理と早川葉南子の2組が参加する。

 KYICC 2021 Committeeは過去にTMTとして行った「OPEN SITE 2018-2019公演『米田恵子(1912-1992)の作品と生涯について』」に紐づくものとして、12月11日に「第一回米田恵子国際作曲コンクール」を開催。コンクール制度自体の虚構性を強調し、制度的な文化/資本価値の再分配を、聴衆参加(公募)型の儀式的プロジェクトとして提示する。KYICC 2021 Committeeがコンクールについて扱うのは今回が初となる。

 いっぽう敷地理+早川葉南子のパフォーマンスは、12月17日、18日、19日の3日間に上演。民衆が権力者の銅像を倒して街中を引きずり、狐が捕らえた獲物を巣⽳へと引きずっていく、それらのなかにある「ドラッギング」という運動に着目し、公共空間でデモンストレーションする身体とダンスの接続を試みる。TOKAS、路上、オンラインでパフォーマンスを同時多発させ、それぞれの場の異なる性格を浮かび上がらせる。

 そしてTOKAS推奨プログラムでは、坂東祐大、文月悠光の2人展「声の現場」を12月24日〜2022年1月16日に開催。本展ではテキストが持つ様々な特性を生かした、詩人と作曲家によるサウンドインスタレーションが展開され、誰かの日常や断片的な記憶はきわめて個人的な「声」であると同時に、普遍的な響きであることが提示される。

 各プログラム詳細や予約方法、鑑賞にあたっての注意事項は公式ウェブサイトをチェックしてほしい。