EXHIBITIONS

ミニマル/コンセプチュアル

ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術

2021.10.09 - 2022.01.10

ポスターイメージ

ギルバート&ジョージ アーチの下で(ボックス) 1969 ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館、デュッセルドルフ

ドロテ・フィッシャーとコンラート・フィッシャー 1969 Photo by Gerhard Richter

コンラート・フィッシャーとギルバート&ジョージ(デュッセルドルフ、プラターネン通り、1973年11月) Konrad Fischer Galerie

  DIC川村記念美術館は、「ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術」を開催する。

 ミニマル・アートは、1960 年代に主にアメリカで展開した美術の潮流。レンガや金属板、蛍光灯といった工業用素材や既製品が使用されること、正方形や立方体などの単純で幾何学的な形態やその反復による構造が一般的な特徴として挙げられ、ミニマル・アートの作家たちは、感情の痕跡や身振りを伴う表現を排し、対象の物質性を前景化させることを試みた。

 ミニマル・アートに続いて現れ、同時代に拡がりを見せたのがコンセプチュアル・アートだ。実際の制作物以上に、もととなる考えを作品の成立条件として重視し、芸術にとってもっとも重要な要素はアイディアやコンセプトだと考えたこの動向は、特定の形態に限定されることなく、言葉をはじめ、写真、映像、印刷物、日用品、自然物、そして作家自身の身体など多様な媒体や形式を用いた。

 ドイツのデュッセルドルフで1967年に画廊をオープンしたコンラート・フィッシャーは、これら同時代の新しい芸術動向をいち早く紹介し、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートの国際的な展開において重要な役割を担った。

 本展ではフィッシャー夫妻のコレクションを所蔵するノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の全面的な協力を得て、1960〜70年代のアメリカおよびヨーロッパのミニマル・アート、コンセプチュアル・アートを中心に、国内初公開作品を含む約100点の作品や資料を展覧する。

 出品作家は、カール・アンドレ、リチャード・アートシュワーガー、ローター・バウムガルテン、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、マルセル・ブロータース、スタンリー・ブラウン、ダニエル・ビュレン、ハンネ・ダルボーフェン、ヤン・ディベッツ、ダン・フレイヴィン、ギルバート&ジョージ、河原温、ソル・ルウィット、リチャード・ロング、ブルース・ナウマン、ブリンキー・パレルモ、ゲルハルト・リヒター、ロバート・ライマン(予定)。

 異なる主張や特性を有しながらも、芸術とは何かを問い直し、今日のアートにも多大な影響を与えた、2つの芸術動向を振り返る。