EXHIBITIONS

ANONYMAT 2021 奈良

vol.2「塔と壺」西川茂(油彩)× 辻村唯(陶)

奈良 蔦屋書店 2F 天平ギャラリー
2021.10.14 - 10.26

辻村唯 参考画像

西川茂 参考画像

 Gallery OUT of PLACEは、奈良 蔦屋書店との共同企画「ANONYMAT 2021 奈良」を開催。奈良に拠点を構え、制作を続ける実力派の美術家4人の作品を紹介する。

 大和盆地・紀伊半島に生きる人や出来事を発掘・開拓し、土地に根ざした文化や芸術を取り上げていく本企画。今回は、vol.1(10月1日〜10月12日)を「赤い黒」と題し、関智生(平面絵画)と赤井正人(木彫・立体)を紹介したのち、vol.2(10月14日〜10月26日)では、西川茂(油彩)と辻村唯(陶)の2人展「塔と壷」を行い2つの展示で構成する。

 西川茂は1977年生まれ。約15年前に奈良に移り住み、現在は奈良市西部に生活と制作の拠点を置く。最近は加茂地区(京都府)にもアトリエを構え、大胆かつ静敢な西川独自のストロークに磨きをかけている。ここ5〜6年は養生シートで覆われた建築物、電波塔、大都市の摩天楼を多く描き、まるで現代の「バベルの塔」ともとらえられるような西川の近作には、無限に広がり高くなっていく現代の都市の未来像(結末)が投影されていると言える。

 辻村唯は1975年生まれ。陶芸家・辻村史朗の長男として奈良市東部の山間に生まれ育ち、父の薫陶を受けながら、若くしてその才能を発揮してきた。土による大胆な造形と自然釉の魅力を独自に開拓し洗練させ、奈良でもっとも注目される陶作家のひとりとして世界を舞台に活躍している。今回はひとつが20キログラムを超えるダイナミックな作品を多数展示する。

 総合タイトル「ANONYMAT」は、フランス語で「不特定な」あるいは「名前を持たない民」を意味し、このアルファベットを逆から読むと「民の名」とも読むことができる。意味が逆になり、名声を得ながらも謙虚な姿勢を崩さない精神をこの言葉に託している。