EXHIBITIONS

ANONYMAT 2021 奈良

vol.1「赤い黒」関智生(平面)× 赤井正人(立体)

奈良 蔦屋書店 2F 天平ギャラリー
2021.10.01 - 10.12

赤井正人 参考画像

関智生 参考画像

 Gallery OUT of PLACEは、奈良 蔦屋書店との共同企画「ANONYMAT 2021 奈良」を開催。奈良に拠点を構え、制作を続ける実力派の美術家4人の作品を紹介する。

 大和盆地・紀伊半島に生きる人や出来事を発掘・開拓し、土地に根ざした文化や芸術を取り上げていく本企画。今回は、vol.1(10月1日〜10月12日)を「赤い黒」と題し、関智生(平面絵画)と赤井正人(木彫・立体)を紹介したのち、vol.2(10月14日〜10月26日)では、西川茂(油彩)と辻村唯(陶)の2人展「塔と壷」を行い2つの展示で構成する。

 関智生は1965年生まれ。2003年イギリスでの留学を終え帰国したのち、アジアの植生と赤い色彩にとりつかれたかのように、日本画材を西洋美術と融合させ始めた。以降、赤のモノクローム絵画を描き続けている。2020年に名古屋での美術教師としての生活をいったん終え、高校まで過ごした奈良西大寺の地に戻り、奈良に続く長大な歴史を俯瞰しつつ、現代における美術の役割について日々考察を深めている。

 赤井正人は1980年生まれ。奈良県のへそとも言える天川村洞川に生まれ、いまも霊峰大峰山の麗に生活拠点を置き、日々作品制作に取り組む。今回は、吉野杉の大木などの素材に彫刻を施したのち、表面が炭化するまで火で焼き、再度彫刻や彩色を繰り返し出来上がった黒い立体群を発表する。

 総合タイトル「ANONYMAT」は、フランス語で「不特定な」あるいは「名前を持たない民」を意味し、このアルファベットを逆から読むと「民の名」とも読むことができる。意味が逆になり、名声を得ながらも謙虚な姿勢を崩さない精神をこの言葉に託している。