EXHIBITIONS

美男におわす

2021.09.23 - 11.03

川井徳寛 共生関係〜自動幸福〜 2008 鎌苅宏司氏蔵 © Tokuhiro Kawai Courtesy of Gallery Gyokuei

高畠華宵 月下の小勇士 1929 弥生美術館蔵(後期展示)

山村耕花 梨園の華 初世中村鴈治郎の茜半七 1920 島根県立美術館(後期展示)

木村了子 男子楽園図屏風 − EAST & WEST(左隻) 2011 作家蔵 撮影=宮島径

森栄喜 "Untitled" from the Family Regained series 2017 作家蔵 Courtesy of KEN NAKAHASHI

山本タカト Nosferatu・罠 2018 個人蔵

三宅凰白 楽屋風呂から 1915 京都市立芸術大学芸術資料館蔵

入江明日香 廣目天 2016 丸沼芸術の森蔵

 埼玉県立近代美術館が展覧会「美男におわす」を開催。本展は、絵画をはじめとする日本の視覚文化に表された美少年、美青年のイメージを追い、人々が理想の男性像に何を求めてきたかを探る試み。

 日本美術史において「美人画」と呼ばれることの多い女性像は、江戸時代の浮世絵や近代絵画において隆盛を極め、現在も高い人気を誇っている。いっぽう、男性像に目を向けると、その時々の社会情勢や流行、男性観などが反映された作品が数多く存在するものの、「美男画」といった呼称でひとくくりにされることはなかった。

 与謝野晶子が鎌倉の大仏の姿に自分なりの「美男」を見出したように、人々は男性像に理想を投影し、心をときめかせてきた。ある時は聖なる存在として、またある時は憧れのヒーローとして、あるいは性愛の対象として、様々な男性像が制作され、受容されてきたと言える。

 本展では、美術の視点から「美男」に注目。江戸時代から現代まで、日本の視覚文化のなかの美少年・美青年のイメージを、浮世絵・日本画・彫刻・挿絵・マンガ・写真といった幅広いジャンルから紹介する。

「伝説の美少年」「愛しい男」「魅せる男」「戦う男」「わたしの『美男』、あなたの『美男』」の全5章で構成し、前期・後期に分けて約190点を展示。人々の理想が投影された多様な男性像を、「美人画」ならぬ「美男画」として提示することで、男性を美しいものとして表現すること/見ることに光を当てる。