EXHIBITIONS

第24回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展

2021.09.23 - 10.03

キービジュアル

アート部門 大賞​ 小泉明郎(日本) 縛られたプロメテウス © 2019, Meiro Koizumi

エンターテインメント部門 大賞​ 岩井澤健治(日本) 音楽 © Sumito Oowara, Shogakukan/Eizouken Committee

アニメーション部門 大賞 湯浅政明(日本) 映像研には手を出すな! © Sumito Oowara, Shogakukan/Eizouken Committee

マンガ部門 大賞 羽海野チカ(日本) 3月のライオン © Chica Umino/Hakusensha

フェスティバル・プラットフォーム賞(ジオ・コスモス カテゴリー)
秋山智哉(日本) ちぎる © AKIYAMA Tomoya

フェスティバル・プラットフォーム賞(ドームシアター カテゴリー)
Sandrine DEUMIER / Myriam BLEAU(フランス/カナダ) L’alter-Monde © Sandrine Deumier + Myriam Bleau

「第24回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」が日本科学未来館で開催。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門における受賞作品と、功労賞受賞者の功績が一堂に展示される。

 文化庁メディア芸術祭は、1997(平成9)年度の開催以来、高い芸術性と創造性を持つ優れたメディア芸術作品を顕彰。同時に、受賞作品の展示・上映や、シンポジウムなどの関連イベントを実施する受賞作品展を開催し、多様化する現代の表現を見据える国際的なフェスティバルへと成長を続けている。

 今年は、世界103の国と地域から応募された3693作品のなかから、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4つの部門ごとに、大賞、優秀賞、ソーシャル・インパクト賞、新人賞、U-18賞を選出。また今回は日本科学未来館の球体展示をテーマとして、設備・施設などの特性を活かした企画展示案を募り、世界34の国と地域から応募された114作品のなかからフェスティバル・プラットフォーム賞が決定。あわせてメディア芸術分野の貢献者へ功労賞が4名に贈呈された。

 アート部門​では、小泉明郎によるメディアパフォーマンス作品《縛られたプロメテウス》が大賞を受賞。ギリシャ悲劇『縛られたプロメテウス』を出発点とする本作は、文明社会の様々に変奏されてきたテクノロジーと人間社会との緊張関係を、VR/AR技術を駆使した体験型演劇作品として展開するもの。テクノロジーと生命のあいだで苦悩する「現代のプロメテウス」を、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の武藤将胤(むとう・まさたね)が演じている。VR/ARによって鑑賞者を世界観に没入させたのち、武藤の存在を明らかにすることで、作者の小泉は、テクノロジーがもたらすユートピアの裏に潜在するディストピアの到来にも警鐘をならす。

 他方、エンターテインメント部門は、岩井澤健治の映像作品《音楽》、アニメーション部門は湯浅政明が監督・シリーズ構成を手がけたテレビアニメーション『映像研には手を出すな!』、マンガ部門は羽海野チカの『3月のライオン』がそれぞれ大賞を受賞。また審査委員会の推薦により、功労賞は、草原真知子(メディアアート・映像文化史研究者 /キュレーター)、坂田文彦(ガタケット事務局代表)、さくまあきら(ゲームクリエイター)、野沢雅子(声優)の4名に贈られた。

 受賞作品展は日本科学未来館をメイン会場に、サテライト会場として、CINEMA Chupki TABATA、パナソニックセンター東京、スパイラルホール、池袋HUMAXシネマズ、分身ロボットカフェDAWN ver.βにおいても展開される。詳細・来場に際しての注意事項は、公式ウェブサイトをチェックしてほしい。