EXHIBITIONS

映画『MINAMATAーミナマター』公開記念

W.ユージン・スミス「Photographs very quietly say」

石川武志 漁村とユージン © Ishikawa Takeshi

‘The Walk to Paradise Garden.’ ©1946, 2021 The Heirs of W. Eugene Smith

『ユージン・スミス写真集』表紙イメージ

写真集『MINAMATA』表紙イメージ

© 2020 MINAMATA FILM, LLC

 銀座 蔦屋書店では、W.ユージン・スミス「Photographs very quietly say」展を開催。映画『MINAMATA-ミナマタ-』の公開と、写真集『MINAMATA』(⽇本語版)の約40年ぶりの新版の刊行を記念して、ユージン・スミスの公式モダンプリント作品の展⽰・限定予約販売と、特別プリントを付属した『ユージン・スミス写真集』スペシャル・エディションの先⾏販売を行う。

 ユージン・スミスは、写真史上もっとも重要なフォトジャーナリストのひとり。1940〜70年代にかけて『ライフ』誌をはじめとするグラフ雑誌を舞台に、数多くの優れたフォト・エッセイを発表した。フィールドに深く⼊り込み、ヒューマニズムの視点で被写体との深い関係性を築きながら、妥協を許さない姿勢と⾼い芸術性によって事象を描き出した写真作品の数々は、現代に至るまで、世界中の⼈々の⼼を揺さぶり、⼤きな影響を与え続けている。

 2020年には、スミスとアイリーン・美緒⼦・スミスによる共著写真集『MINAMATA』(1975)に基づく映画『MINAMATA(原題)』(監督:アンドリュー・レヴィタス/主演:ジョニー・デップ)がアメリカで制作され、日本では2021年9月に公開予定。これを記念し、今回販売されるモダンプリント作品は、スミスの代表作《楽園への歩み》と「スペインの村」「カントリー・ドクター」のシリーズをもとにつくられ、スミスの⼦息で著作権保有者であるケヴィン・ユージン・スミスの証明書付となっている。

 いっぽう『ユージン・スミス写真集』は2017年にクレヴィスより発売され、スミスの初期〜晩年までの作品を網羅し約150点を収録。今回の公式プリント付スペシャル・エディションでは、《The Walk to Paradise Garden》のデジタルゼラチンシルバープリントと、別紙にケヴィン・ユージン・スミスのサインと作品コメントが添えられる。

 そして映画化された写真集『MINAMATA』は、当時の妻アイリーン・美緒⼦・スミスとともに命を懸けて⽔俣病に取材した、スミス最後の仕事に位置づけられる1冊。1975年に英語版が、80年に⽇本語版が出版され、⻑らく絶版となっていた。2021年、⽔俣の真実に迫る不朽のドキュメントがよみがえる。

 本展「Photographs very quietly say」では、スミスの代表作から制作されたモダンプリント作品(全3種)とともに、スミスのアシスタントとして⽔俣の取材に同⾏した写真家・⽯川武志によるポートレイト作品も展⽰・販売。詳細は銀座 蔦屋書店の公式ウェブサイトをチェックしてほしい。