EXHIBITIONS

絵画の証III -東海版-

浅野弥衛 / 国島征二 / 鈴木淳夫 / 山田純嗣

2021.09.17 - 10.16
 2003年と04年にGallery Yamaguchi kunst-bau(大阪)による企画のもと、現代美術としての絵画の可能性を追求すべく開催されたグループ展「絵画の証」。これらに続く展覧会「絵画の証III -東海版-」がTEZUKAYAMA GALLERYで開催される。

 約17年の時を経て開催される本展では、絵画における芸術の本質(=証)を探し求めようとする実験的な試みとして、浅野弥衛、国島征二、鈴木淳夫、山田純嗣が共演。東海地方を活動拠点とする中堅〜物故作家4名を紹介する。

 浅野弥衛は1914年三重県鈴鹿市生まれ。独学で絵画制作してを開始し、59年から画業に専念。「引っ掻く」技法を独自に追い求め、桜画廊を中心に発表を続けた。96年の作家没後も各地で展覧会が開催されている。

 国島征ニは1937年愛知県名古屋市生まれ。米ロサンゼルスで約20年間の作家活動を経て、現在は岡崎市の山のなかで制作している。桜画廊、ノブギャラリーで発表し、現在も様々な画廊で展覧会に参加。69年頃から現在まで自身の日記のように継続されている「wrapped memory」と、アルミニウムを積層させ石を包み込む、あるいは黒御影石やプロンズの枝を組み合わせるなどした「積層体」シリーズを主に手がけている。

 鈴木淳夫は1977年愛知県豊橋市生まれ。静岡大学大学院教育学研究科を修了。自身の作品を「彫る絵画(Carved Painting)」と称し、幾重にもパネルのうえに塗り重ねた絵具の層を彫刻刀で削り出すことで様々な図柄を描く作風で制作を重ねている。鈴木がつくり出す画面は作家の息づかいすらも感じ取れるほどの鮮明な行為の痕跡として鑑賞者に提示され、同時に「彫る」という反復行為によって顕在化した絵具の断層は、作家が作品と対峙した膨大な時間を物語っている。

 山田純嗣は1974年長野県飯田市生まれ。美術史上の名画をモチーフに空間構造を読み解き立体化後に撮影し、そこへ細密なドローイングを銅版で重ねていく独自の技法「インタリオ・オン・フォト」で表現される作品を制作。三次元と二次元、現実と虚構といった性質の違う要素を共存させ、絵画とは何かを問う。ストイックさとポップさを併せ持つ独自な作品世界は、根強い人気を誇りファンも多い。