EXHIBITIONS

フランソワ・ポンポン展

2021.09.18 - 11.14

フランソワ・ポンポン シロクマ 1923-1933 群馬県立館林美術館蔵

フランソワ・ポンポン ワシミミズク 1927-1930 パリ、オルセー美術館蔵 ©︎ RMN-Grand Palais(musee d'Orsay) / A. Morin / Gallimard / distributed by AMF

フランソワ・ポンポン カバ 1918-1931 群馬県立館林美術館蔵

フランソワ・ポンポン ボストン・テリヤ「トーイ」 1931 ソーリュー、フランソワ・ポンポン美術館蔵(1982収蔵) ©︎ Musee Pompon Saulieu /KRISTOF

フランソワ・ポンポン ヒグマ 1918-1926 群馬県立館林美術館蔵

「鳩を抱くポンポン」写真(撮影年不詳) 群馬県立館林美術館蔵

 フランスの彫刻家フランソワ・ポンポン(1855〜1933)の日本初回顧展が名古屋市美術館に巡回する。

 オルセー美術館にある実物大の巨大彫刻《シロクマ》をつくり、その他に多くの動物をモデルに彫刻を生み出したフランソワ・ポンポンは、20世紀初頭のアール・デコ期に人気を博した動物彫刻家。ポンポンの作品の特徴は、鳩や猫、犬など身近な動物から豚や牛など農場でみる家畜、キリンやヒグマ、シロクマなど動物園でみることが多い異国の動物まで、その生態を詳しく観察し、極限まで細部をそぎ落としシンプルでなめらかな造形にした点だ。

 ユーモラスなオラン・ウータンの表情、茶目っ気のあるペリカン、太陽の下であくびをするカバなど、大部分の作品が18〜28センチメートルと比較的小型で愛らしさを兼ね備え、幸福さをたたえたポンポンの彫刻は、生きる喜びを体現していて見る人に幸せな気持ちと微笑みをもたらす。

 本展は無名時代の初期作品から、彫刻家として認められた晩年に至るまでの作品を総合的に展示し、ポンポン作品の全貌を日本で初めて見ることのできる展覧会。ポンポンが名声を確立していくまでの作家の生涯と作品の魅力に迫る。

 展示作品はおよそ90点。ポンポンの本国フランス、パリのオルセー美術館、ポンポンが建築と彫刻の基礎を学んだ美術学校がありポンポン最大の支援者であったディジョン市のディジョン美術館、そして出生地ソーリューにあるフランソワ・ポンポン美術館から来日する作品と国内随一のポンポンコレクションを有する群馬県立館林美術館の作品によって構成される。