CAPTURE

　Rikka Gallery 麻布台では、Yeji Sei Lee（李 晟 睿智）、谷川美音、鮫島ゆいのアーティスト3名を迎えたグループ展「CAPTURE」を開催する。本展覧会のキュレーションは小柴綾香。

　本展は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い情報が錯綜するいま、「本質を『とらえる』力が必要なのではないではないか」という問いを起点に企画されたもの。ユニークな視点から社会をとらえ、作品を通して問いかける3名のアーティストにフォーカスする。

　Leeは、アジアを中心に現地に生きる人々と深く交流するなかで直面したリアルな生活や価値観を、多文化のなかで生きてきた自身の視点を持って読み解き、人間が回帰すべき原点を再考する。谷川は、漆という流動性がありながら永続的な側面も持つ素材と、ドローイングから生まれるフォルムを合わせ、流れ続ける時間のなかに存在する「現在」のとらえ方を問いかける。そして鮫島は、小さな立体物を制作する工程で五感を通じて得られる想像を、絵画というひとつの場面に混在させることで、人間が太古から尊重してきた目に見えないものの存在や、信仰の本質を追求する。

「CAPTURE」とは、いま起きている物事をとらえること。本展が、独自の視点を持ち、時代の転機をクリエイティブに生きるためのヒントになればとしている。