EXHIBITIONS

生誕130年記念 髙島野十郎展

同時開催 特集展示 秋山泉

2021.09.05 - 11.07

髙島野十郎 からすうり 1935(昭和10) 福岡県立美術館蔵

髙島野十郎 蠟燭 1912-26 大正時代 福岡県立美術館蔵

髙島野十郎 月 1962(昭和37) 福岡県立美術館蔵

 独学の油彩による写実を追求した孤高の画家・髙島野十郎(たかしま・やじゅうろう、1890〜1975)。東京帝国大学農学部水産学科を首席卒業するものの画家を志し、世界の美術動向や同時代の画壇とも交渉を持たず、果実や花などをみつめ、日本各地の自然や社寺風景を描き続けた。

 代表作「蠟燭」に見る、生涯画題とした1本の蝋燭の火や、最晩年に描いた太陽、夜空に浮かぶ月の光など、ただひとつの対象に独自の「写実」への執念を込めた連作には、光と闇を見つめた画家の魂がゆらめいている。

 2020年の生誕130年を記念して開催される本展では、群馬県利根郡や埼玉県秩父市など高崎市近隣に取材した作品や、生まれ故郷の福岡県久留米市で新発見された作品を含む90点を展示。近年評価が高まる画業の全貌を回顧し、新たな髙島野十郎像に迫る。

 また本展と同時開催として、鉛筆による精緻な描写で、髙島と同じく蝋燭などを見つめる現代の画家・秋山泉(あきやま・いずみ、1982〜)の作品を特集展示する。