EXHIBITIONS
関真奈美、前谷開、松元悠「船は岸に辿り着けるのか」
関真奈美、前谷開、松元悠による展覧会「船は岸に辿り着けるのか」がTALION GALLERYで開催。本展は、パラドクス(逆理)と習慣的に呼ばれる事象と造形表現との交わりについて、3名の作家がそれぞれの制作手法と深く結びついたパターンやロジックを足がかりとすることで、その絡まり合う交点に対して接近、あるいは離脱することを主題として構成される。
関真奈美は、物理空間と紙の上やディスプレイ上など、いくつかの異なる次元に代理表象された空間を併置し、言語とイメージをプロシージャルに往来する手続きを踏むことで制作を行ってきた。近年では、プログラムやシステムの逐次的なプロセスに分け入り、人間の言語や身体の振るまいに呼応させたパフォーマンス作品などを発表している。
前谷開は、カプセルホテルの一室、住居の床下、あるいは演劇の舞台上といった集団的同調に潜在する空隙のような場に身を置き、その只中で自らに向けたカメラのシャッターボタンを押すことで、自身の行為と身体を跡付けるかのような写真作品を制作。近作では、町と町をつなぐあいだにある空隙や切断面としての野山や沿岸部を訪れ、風景と身体の関係についてセルフポートレイトの手法を応用した作品に取り組んでいる。
松元悠はマスメディアが報じる事件の周縁に赴き、その追体験を試みることで再構築される当時者の像から、主にリトグラフ技法を用いた版画を制作。現場を歩くことで知りえた光景や土地柄の詳らかなコラージュは、1枚の版画に多弁な具象性をもたらすと同時に、作者の自画像に置き換えられた当事者たちのイメージの重なりが、その埋め合わせようのない不在を際立たせている。
「船は岸に辿り着けるのか」という展覧会名は、それ自体が無体な問いかけであり、複数のパラドクスが言い換えられて折り重なり合う交点となっている。本展は、3名の作家の固有のアプローチ(あるいはディパート)を通して、パラドクスの造形的な表象や造形に内在するパラドクスを提示する。
関真奈美は、物理空間と紙の上やディスプレイ上など、いくつかの異なる次元に代理表象された空間を併置し、言語とイメージをプロシージャルに往来する手続きを踏むことで制作を行ってきた。近年では、プログラムやシステムの逐次的なプロセスに分け入り、人間の言語や身体の振るまいに呼応させたパフォーマンス作品などを発表している。
前谷開は、カプセルホテルの一室、住居の床下、あるいは演劇の舞台上といった集団的同調に潜在する空隙のような場に身を置き、その只中で自らに向けたカメラのシャッターボタンを押すことで、自身の行為と身体を跡付けるかのような写真作品を制作。近作では、町と町をつなぐあいだにある空隙や切断面としての野山や沿岸部を訪れ、風景と身体の関係についてセルフポートレイトの手法を応用した作品に取り組んでいる。
松元悠はマスメディアが報じる事件の周縁に赴き、その追体験を試みることで再構築される当時者の像から、主にリトグラフ技法を用いた版画を制作。現場を歩くことで知りえた光景や土地柄の詳らかなコラージュは、1枚の版画に多弁な具象性をもたらすと同時に、作者の自画像に置き換えられた当事者たちのイメージの重なりが、その埋め合わせようのない不在を際立たせている。
「船は岸に辿り着けるのか」という展覧会名は、それ自体が無体な問いかけであり、複数のパラドクスが言い換えられて折り重なり合う交点となっている。本展は、3名の作家の固有のアプローチ(あるいはディパート)を通して、パラドクスの造形的な表象や造形に内在するパラドクスを提示する。