EXHIBITIONS

足立喜一朗個展「All After Human」

2021.08.27 - 09.19

メインビジュアル

e.e.no.24 in Shimokitazawa(2004)

Photo by Shintaro Yamanaka

Photo by Shintaro Yamanaka

Exhibition views SOAPSOAP,NADiff Gallery(2010) Photo by Shintaro Yamanaka

Exhibition views Back to the Nature, FUMA Contemporary TOKYO(2012)

Exhibition views Rokko meets ART 2013

Exhibition views cosmic tree + SAKANAO139 Museum,SAKANAO139 MuseumFAIR(2015)

Photo by Takuo Arai

 HARUKAITO by islandで、足立喜一朗の個展「All After Human」が開催される。会期は8月27日~9月19日まで。

 足立は1979年大阪府生まれ。2004年多摩美術大学環境デザイン学科卒業。現在はニューヨークを拠点に活動・制作している。07年には、東京都現代美術館で開催された「Space for the Future ~アートとデザインの遺伝子を組み替える」にて《e.e.no.24(Experimental Equipment no.24)》を発表。同作品は電話ボックス型のディスコは全面がマジックミラーでできており、外からは丸見えだが内からは外が見えず自分しか見えない形態で、その時代のアイデンティティを鮮やかに描き出した。

 09年に横浜ZAIMで行われた個展「Shangri-La」では、見せかけだけのエコを鮮やかに批評する作品を発表。「FLATLAND」という「大地はゆっくり回転し、くまなく光を受ける」作品、「Air Cleaner」という「下部からの光は植物の光合成を促進し、ファンは生まれた酸素は部屋全体に運ぶ見せかけだけの空気清浄機」などを展示した。その翌年の「SOAP」展(AISHO MIURA ARTS/NADiff gallery、東京)からは、ミラーボールをモチーフにした彫刻を数多く制作。本展のテーマは「平凡なものと聖なるものは紙一重」だったが、シャンデリアやミラボールといった俗物的なモチーフが、聖なるものや信仰の対象のものに裏返る瞬間を創出する作品を仕上げた。

 これら2つの方向性は、12年に発表された《g.g.no.03 green generator no.03 ~再生可能エネルギーの崇拝のための装置~》や、13年の《Life Balancer no.01 ~命の重さを測る天秤~》へ昇華された。足立の作品の特徴は、たしかな技術と、ユーモアがひつとの作品として結実し目に見えるかたちにできるというところであり、そして15年に発表された「cosmic tree」(Gallery FAIR、千葉)を機にミラーボールがあたかも宇宙の軌道を描く、宇宙的視点を表現するようになった。

 本展は16年以降、ニューヨークに拠点を移した足立の6年ぶりとなる日本での個展。Facebook社とのコミッションワーク「Memory and Oblivion」(2020)でも発表された、彫刻と並行して多数手がけるドローイングを含めて公開するまたとない機会となる。