EXHIBITIONS

皇室の彩(いろどり) 百年前の文化プロジェクト

横山大観 《日出処日本》 昭和15年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

横山大観 《日出処日本》 昭和15年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

《瑞彩》のうち上村松園《雛祭》 大正13年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

《御飾棚》鳳凰菊文様蒔絵(昭和天皇へ献上) 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

高村光雲 《松樹鷹置物》 大正13年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

六角紫水 《瑞鳥霊獣文様蒔絵手箱》 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

 大正から昭和最初期の美術工芸家たちが、皇室の慶事に際し、技術の粋を尽くして制作した献上品など、皇居外で滅多に公開されない作品が勢揃いする。

 献上品の制作は、伝統技術の継承と発展につながる文化政策の一面を担っていた。大正期には、東京美術学校(現・東京藝術大学。以下美術学校)5代校長・正木直彦(1862〜1940)の指揮下で、全国の各分野を代表する作家も含めて展開された作品が制作されたが、今日ではそれを知る者がほとんどいなくなっている。それら美術工芸品は、宮殿などに飾り置かれていたために、一般の人々の目に触れる機会が極めて限られていたためである。

 本展では、東京美術学校を継承する東京藝術大学の創立130周年を記念して、東京美術学校にゆかりある皇室に関わる名作の数々もあわせて展示。宮内庁に現存する作品とともに、100年前の皇室が支えた文化プロジェクトの精華を楽しむことができるだろう。