EXHIBITIONS

平木コレクションによる

前川千帆展

2021.07.13 - 08.15, 2021.08.17 - 09.20

前川千帆 少女 1927頃 公益財団法人平木浮世絵財団蔵

前川千帆 屋上風景 1931 公益財団法人平木浮世絵財団蔵

前川千帆 湖の見える室 1932頃 千葉市美術館蔵

前川千帆 朝の浴場 1951 公益財団法人平木浮世絵財団蔵

前川千帆 新京の影画芝居 1958 公益財団法人平木浮世絵財団蔵

前川千帆 おてんばチャッピー6 (『よみうり少新聞』103号、1934年7月8日)夜鳥文庫蔵

 千葉市美術館は「平木コレクションによる 前川千帆展」を開催。1977年にリッカー美術館(東京・銀座)で開催された「前川千帆名作展」以来、44年ぶりの大回顧展となる。

 京都で生まれた前川千帆(まえかわ・せんぱん、1888〜1960)は、恩地孝四郎、平塚運一とともに「御三家」と称された、近代日本を代表する創作版画家。マンガ家として名をなす傍ら木版画を手がけ、清澄な彫り摺りと躍動感のあるユーモラスな造形によって独自の作風を拓いた。その作品は、いまなお色褪せない魅力を放ち、また近年では、日本のアニメーション草創期に重要な役割を果たした事実も掘り起こされている。
 
 本展は、浮世絵の大コレクションで知られる公益財団法人平木浮世絵財団の所蔵品を中心に、約350点の作品から千帆の版業を総覧する。

 主要な版画作品のほかに、最初期の新聞・雑誌投稿時代の作品から、マンガ原画や版本の草稿、版木など様々な資料を展示。アニメーションとの関わりについては、作画に携わったとされる日本アニメーション映画の先駆け『なまくら刀』を上映する。

 日常に温かなまなざしを注ぎ、人や街、温泉地を版画に刻んだ千帆。素朴な魅力にあふれた、ほほえましい作品の数々を楽しんでほしい。