EXHIBITIONS

human nature Dai Fujiwara 人の中にしかない自然 藤原大

2021.07.17 - 09.05

展覧会ポスターデザイン_B3 2020-21 写真=瀧本幹也 デザイン=花原正基

藤原大 江ノ島のカラーハンティング 2018

藤原大 江ノ島電鉄車両デザイン 2018

藤原大 海のカラーハンティング 2018

藤原大 ゴミが糸になる/草原のセーター、都会のセーター 2017-

藤原大 ゴミが糸になる/草原のセーター、都会のセーター 2017-

藤原大 ゴミが糸になる/草原のセーター、都会のセーター 2017-

藤原大 烏帽子岩のカラーハンティング 2021

 国際的に活躍するデザイナー・藤原大の国内美術館では初となる個展「human nature Dai Fujiwara 人の中にしかない自然 藤原大」が、茅ヶ崎市美術館で開催される。

 藤原は神奈川県出身。中央美術学院国画系山水画科(北京)に留学後、多摩美術大学を卒業。2008年に株式会社DAIFUJIWARAを設立し、湘南に事務所を構える。「コーポレイト(企業)」「アカデミック(教育)」「リージョナル(地域)」の3つのエリアをフィールドに、現代社会に向けた多岐にわたる創作活動は世界から高い評価を受けており、また独自の視点を活かして、Google、資生堂、日立製作所など企業のオープンイノベーションにおける牽引役としても活動している。

 つねに自然を意識し創作してきた藤原は、「自然と人が対峙するものではなく、また自然と人が一体となる考えでもない。自然は人の中にしか存在しないものであり、人の周りや外にあるものではないと考えてきた」と言う。自然を始点としながら、先端技術を駆使した作品によってアート、サイエンス、デザインの領域をつなぎ、身体空間と電子空間の融合が進む現代社会について、早い段階から思考し表現し続けている。

 本展は、デザイナーとして知られる藤原の新たな側面に光を当て、時代の先を見据え制作してきた未発表を含むアート作品を展観する。

 掃除機を用いて、モンゴルの草原やニューヨークの地下鉄で収集したものを素材にしたテキスタイルで、ゴミの概念の変換を試みる作品や、描く手段の拡張としてドローンなどの電子機器を使い布にパターンを描いた作品を展示。また、自然界の色を採取し色見本をつくる独自の手法「カラーハンティング」による「湘南の色」をもとにデザインした江ノ電の車両や、無印良品、カンペールなど国内外の企業と手がけたデザインもあわせて紹介する。

 さらに本展のため、茅ヶ崎で集めた素材でつくるセーターや、茅ヶ崎のシンボルとも言える烏帽子岩を「カラーハンティング」した茅ヶ崎シャツも初公開する。

 価値観の変換を試みる画期的なアイデアとモノづくりで人の感性を揺り動かし続ける藤原。本展はその作品を通し、刻々と変化する社会における人間と自然の関係性を新たな視点から見つめ、100年先の未来を考える機会とする。