EXHIBITIONS

フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家

フランソワ・ポンポン シロクマ 1923-1933 群馬県立館林美術館蔵

鳩を抱くポンポン 群馬県立館林美術館蔵

フランソワ・ポンポン ワシミミズク 1927-1930 パリ、オルセー美術館蔵
© RMN-Grand Palais(musée d'Orsay) / A. Morin / Gallimard / distributed by AMF

ボストン・テリヤ「トーイ」 1931 ソーリュー、フランソワ・ポンポン美術館蔵
© Pompon Musée Saulieu /KRISTOF

フランソワ・ポンポン 牝豚と子豚たち 1908-1929 ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館より寄託)
© Musée des Beaux-Arts de Dijon/Michel Bourquin

フランソワ・ポンポン 錦鶏 1933 ディジョン美術館蔵(国立自然史博物館より寄託)
© Musée des Beaux-Arts de Dijon/François Jay

 20世紀初頭のアール・デコ期に活動した動物彫刻家、フランソワ・ポンポンの全貌に迫る日本初の回顧展「フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家」が開催される。

 近年、日本でも人気が高まっているフランソワ・ポンポン(185︎5︎〜1933)。フランスのブルゴーニュ地方に生まれたポンポンは、彫刻家を志してパリに出ると、オーギュスト・ロダンなどのもとで研鑽を積んだのち、革新的なスタイルの動物彫刻を完成させた。

 ポンポンが彫刻家として認められたのは、晩年の1922年、67歳の時。サロン・ドートンヌにて長さ2.5メートルの大きな石膏の《シロクマ》を出品し、しなやかで力強い生命感と、堂々とした安定感をもった作品で高く評価された。

 オルセー美術館に実物大がある代表作のシロクマをはじめ、ユーモラスなオラン・ウータンの表情、茶目っ気のあるペリカン、あくびをするカバなど、動物たちの生態を詳しく観察したうえで制作され、極限まで細部をそぎ落とし抽象化されつつも愛らしさを残すポンポンの作品は、親しみやすく、見る人を幸せな気持ちにさせてくれる。

 本展は、ポンポンの無名時代から、1922年のサロンで大絶賛を受けた《シロクマ》を生み出し、名声を確立していくまでの作品と生涯を回顧。ポンポン最大の支援者であったディジョン市のディジョン美術館、出生地ソーリューにあるフランソワ・ポンポン美術館、パリのオルセー美術館、そして国内でまとまった数のコレクションを有する群馬県立館林美術館からの作品約90点で構成される。

 なお本展は、京都市京セラ美術館での開催後、名古屋市美術館、群馬県立館林美術館、佐倉市立美術館ほか1館の計5会場を巡回予定。