EXHIBITIONS

ジェレミー・デラー 個展

KAG
2021.07.01 - 08.27

Photographic documentation of We're here because we're here by Jeremy Deller in collaboration with Rufus Norris, 2016, London, Commission by 14-18NOW

Still image of Everybody in the Place: An Incomplete History of Britain 1984-1992, 2018 HD Video Courtesy of the Artist, Frieze, Gucci and The Modern Institute/Toby Webster Ltd., Glasgow

Still image of So Many Ways to Hurt You(The Life and Times of Adrian Street), 2010-2012 Courtesy of Festival Number 6

Still image of English Magic, 2013.
 Courtesy of Modern Institute

 イギリスのアーティスト、ジェレミー・デラーの個展が倉敷市のKAGで開催される。本展は川上幸之介研究室(倉敷芸術科学大学芸術学部)とキュレーター・腰原慶子による共同企画。

 ジェレミー・デラーは1966年ロンドン生まれ。コートールド・インスティテュートで美術史を学んだのち、サセックス大学美術史学修士課程を修了。2004年にターナー賞を、10年に英国王立芸術(RSA)のアルバート・メダルを受賞。13年にはヴェネチア・ビエンナーレで英国代表を務めた。

 イギリスのポピュラーカルチャーを題材とし、一見ユーモアに満ちた作品で知られてるデラー。しかし作家が「社会的な地理学者」「アーキビスト」と評されるように、国内にとどままらない社会における諸問題、とくに権力構造の根深いパラドックスに問いを投げかけている。その作品では、政治的かつ歴史的なエピソードが、深遠に、時にふざけたり、あるいはユーモラスなアプローチをとったりなどしながら展開される。

 本展では、デラーの4つの作品《Documentary of We’re here because we're here》(2016)、《So Many Ways To Hurt You(The Life And Times of Adrian Street)》(2010)、《English Magic》(2013)、《Everybody in The Place:An Incomplete History of Britain 1984-1992》(2018)を2週ごとに、それぞれ単独、またはペアで上映し、デラーの活動の様々な側面を紹介する。上映期間は7月1日〜15日(第1回)、7月16日〜29日(第2回)、7月30日〜8月12日(第3回)、8月13日〜27日(第4回)。

 本展で公開する作品は、異なるアイデンティティや歴史観を受け入れ、被写体に権限を持たせるため、映画製作者、ミュージシャン、レスラー、運転手、監督、子供たちとのコラボレーションによって制作された。デラーは、このような視野を取り入れることで、オルタナティブな実践やコミュニティをアートにより表象し、普遍的な日常は、歴史的な事実の延長であり、忘れられた日々でもあることを浮かび上がらせる。