EXHIBITIONS

生誕110年 香月泰男展

2021.07.03 - 08.01, 2021.08.03 - 09.05

香月泰男 北へ西へ 1959 山口県立美術館

香月泰男 釣り床 1941 東京国立近代美術館

香月泰男 ハムとトマト 1953 香月泰男美術館

 戦争とシベリア抑留の体験に基づく「シベリア・シリーズ」で知られる画家・香月泰男(1911〜1974)。その回顧展「生誕110年 香月泰男展」が宮城県美術館で開催される。

 山口県三隅村(現・長門市)に生まれた香月は、東京美術学校で学び、国画会から画壇に出た。澄んだ色彩と独特の叙情性を持つ絵画が注目され始めた矢先、召集を受けて満州へ従軍。敗戦後にシベリア抑留に遭った香月は、多くの戦友を失った過酷な環境を生き延び、1947年に復員した。

 復員後、香月は故郷を離れることなく、戦争と抑留の体験をもとにした「シベリア・シリーズ」に取り組み、亡くなるまでに57点を描き上げた。黒と黄褐色の重厚な画面に刻まれた、極限状態の苦痛、鎮魂と望郷の思い、厳しくも鮮烈な自然の美しさは、見る者に深い衝撃と感動をもたらす。

 本展は、東北に「シベリア・シリーズ」全点が揃う初めての機会。「シベリア・シリーズ」の物語を解体し、ほかの作品とあわせて制作順に展覧することで、シリーズの位置づけを再検証する。

 また、香月の詩情豊かな初期作品や、身近なモチーフを愛情込めて描いた作品など、「シベリアの画家」にとどまらない香月の多彩な魅力を紹介し、その造形とメッセージの本質に迫る(会期中、展示替えあり)。