EXHIBITIONS

水戸部七絵個展「Rock is Dead」

2021.06.24 - 07.11

水戸部七絵 Sexy Rock Alien 2021

水戸部七絵 All-girl Rock Band Sings in 2021

 水戸部七絵の個展「Rock is Dead」が渋谷のbiscuit galleryで開催。本展では、ギャラリーの3フロアを使い、「DEPTH」シリーズに加え、新作のポートレイトシリーズを発表する。

 水戸部は神奈川県出身。現在は千葉を拠点に活動。2021年、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画に在籍し、小林正人に師事する。代表作にマイケル・ジャクソンなどの著名人やポップ・アイコンをモチーフにした「スター・シリーズ」や、14年のアメリカ滞在をきっかけに制作された匿名の顔を描いた「DEPTH」シリーズ」などがある。20年には「VOCA展2021」奨励賞(鎮⻄芳美推薦)を受賞。19年制作の《I am a yellow》が愛知県美術館に収蔵された。

 本展では、音楽・ファッション・映画などを横断しながらグラムロックシーンの象徴となったディビッド・ボウイ、挑発的な姿で保守的な女性像を破壊していった女性ロックバンドのザ・ランナウェイズ(The Runaways)など、1970年代のスターを描いた作品を展示する。

「Rock」というカルチャーは、退屈で窮屈な世のなかを打破するエネルギーの象徴として、20世紀に鮮烈な光を残した。しかし、挑発的で攻撃的な音楽性、きらびやかなスタイル、力強いメッセージの他方で、その存在は偶像化され、商品として消費されていった歴史がある。

 現在、ポップで、カラフルで、主義も主張もない当たり障りのないインテリアがアートとしてマーケットを騒がす時代。水戸部はそんな状況に対して、矛盾と葛藤のなかで生きてきたスターたちを描くことで、商品としての絵画を打破しようと試みる。効率や扱いやすさを無視して貫いてきた超厚塗りという作家独自のスタイルで描かれたロックスターたちは、鮮烈な絵の具の匂いを放ち、その重量と質量をまといながら、今日のアートにアンチテーゼを投げかけている。