EXHIBITIONS

權寧禹、内藤楽子、ドロシア・ロックバーン

Systemic Paper

2017.04.15 - 06.17

権寧禹 Untitled 1982 Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo

 ミニマルでシステミックな実践が活発であった1960年代に活動を開始した權寧禹(クォン・ヨンウ)、内藤楽子、ドロシア・ロックバーンによる紙を支持体とした作品を紹介する。
 70年代より韓国で台頭したモノクロームペインティングの動向「単色画」の中心作家のひとりである權は伝統的な水墨画を学びながらもその手法から離れ、韓紙と呼ばれる繊細な多層状の紙を用い、その表面を自らの爪でひっかくという制作手法で作品を手がけてきた。
 内藤は東京藝術大学卒業後の58年、現在の活動拠点でもあるニューヨークへ転居。幾何学的で錯視的な構成によって成り立つ初期のアクリル画などを経て、90年代以降は、和紙の一種である楮(こうぞ)紙が持つ、質感、柔軟さ、強度といった要素の探求に向かうようになった。
 ノースカロライナ州に存在した美術学校ブラック・マウンテン・カレッジで50年から52年にかけ学んだロックバーンは、美術、数学、化学、哲学といった幅広い領域への興味や、中庸、集合論、天文学、宇宙論、そして古代エジプト人が用いた比率や光線に関する理論など、多彩な要素を作品に取り入れてきた。本展では72年に制作した《Locus I–VI》を発表する。